Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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服部百音
 毎年、「フレッシュアーティスト賞(将来を期待される優れたアーティストを対象とした賞)1名」と「特別賞(クラシック音楽をベースにした活動を行っている個人を対象とした賞(特別賞)1名」で構成されている「新日鉄住金音楽賞」の第27回の受賞者が決まった。
「フレッシュアーティスト賞」は、ヴァイオリンの服部百音。「特別賞」はプロデューサー、舞台監督、技術監督の小栗哲家である。
 18日には、紀尾井ホールで受賞記念コンサートが開催され、前半に小栗哲家のトークが行われ、後半に服部百音の演奏が行われた。
 服部百音は、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル・ソナタ」、エルンストの「夏の名残のバラによる変奏曲」、マスネの「タイスの瞑想曲」、ラヴェルの「ツィガーヌ」をプログラムに組んだ。
 彼女の演奏は何度も聴いているが、「クロイツェル・ソナタ」は初めてである。冒頭からいつもながらの集中力に富んだ、情熱的で前向きな演奏が展開されたが、徐々にテンポが速くなっていき、アグレッシブな奏法が全開。
 服部百音の演奏は、いつも「最後までこの調子で突っ走るのだろうか。大丈夫かなあ」とハラハラドキドキしてしまう。
 もちろんしっかり鍛え上げられた演奏ゆえ、自信にあふれ、一瞬たりとも揺らがないものだが、彼女が11歳のころから聴いている私は、つい演奏家とともに呼吸をしているような、音楽と一体化した思いを抱いてしまうのである。
 終演後、楽屋でそんなテンポの話をすると、「リハーサルのときはもっと速かったんですよ。やはりベートーヴェンだから、深い内容に合った演奏をしなくてはならないため、ずいぶん抑制しました」とのこと。
 これからも「クロイツェル・ソナタ」は、機会があるごとに演奏していきたいと眼を輝かせていた。
 今日の写真は、熱き演奏が終わって、まだその熱気をまとっているような雰囲気の服部百音。ずいぶん大人っぽくなり、淡いブルーの衣裳が成長した姿によく似合っていた。

| 情報・特急便 | 22:38 | - | -
諏訪内晶子
 6月27日のブログに綴ったように、いま諏訪内晶子が芸術監督を務める「国際音楽祭NIPPON」が開催されている。
 今日は、レナード・スラットキン指揮デトロイト交響楽団と諏訪内晶子が共演するコンサートを聴きにいった。
 プログラムは、武満徹の「遠い呼び声の彼方へ!」からスタート。1980年に作曲された作品で、タイトルは20世紀アイルランドの作家、ジェームス・ジョイスの「フィネガンス・ウェイク」から取られたもの。作品の基には「海のモチーフ」があり、広大な海はオーケストラの響きに、ダブリン市を流れるリフィー河は独奏ヴァイオリンで表現される。
 次いで登場したのが、エーリッヒ・ヴォルフガング・コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35。「ハリウッド協奏曲」というニックネームで知られるように、コルンゴルトがアメリカに亡命してから映画音楽に深くかかわるようになり、映像的な素材をふんだんに盛り込んで書いた作品である。
 1947年にヤッシャ・ハイフェッツのソロ、ウラディミール・ゴルシュマン指揮セントルイス交響楽団によって初演された。これはコンサートで頻繁に取り上げられるコンチェルトではないため、今回はじっくりと作品に耳を傾けることができた。
 終演後、諏訪内晶子にその旨を伝えると、こんな答えが戻ってきた。
「コルンゴルド、いいでしょう。すばらしい曲だと思うわ。あまり演奏されないのは、難しいからじゃないかしら。本当に難しいのよ。でも、マエストロ・スラットキンとは20年以上のおつきあいがあるし、アメリカのオーケストラだから、いい演奏ができると思ったの。すっごく鳴るオーケストラでしょう。今日はどうだった? いい演奏だった? よかったわ、このコンチェルトは、ヨーロッパのオーケストラと共演すると、まったく異なった演奏になるの」
 やはり、コンチェルトは、共演する指揮者&オーケストラによって、大きな違いがあるようだ。
 後半は、チャイコフスキーの交響曲第4番。
 今日の写真は、コルンゴルドを弾き終えたばかりの諏訪内晶子。ほんのひとときの立ち話だったが、コルンゴルドの話は尽きない感じだった。次回のインタビューでは、ぜひ、より詳しい作品論を聞きたい思う。

| クラシックを愛す | 23:13 | - | -
熊本マリ
 ピアニストの熊本マリとは、長年のおつきあいがある。
 今日は久しぶりに会い、新譜の話をいろいろ聞いた。
 これは次号の「intoxicate」のインタビューで、彼女は今回初めて2枚同時リリースを行っているのである。
 新譜は、今年生誕100年を迎えるアメリカの作曲家ウィリアム・ギロックの作品集と、サティの作品集。
 ギロックは、近年ピアノレスナーの間で非常に人気が高く、シンプルで短く弾きやすく物語性に富む曲の数々が愛奏されている。
 生誕100年のメモリアルイヤーを記念し、日本のレコード会社3社と全音楽譜出版社が合同で企画し、熊本マリ(キングレコード)、小原孝(日本コロムビア)、三舩優子(ビクターエンタテインメント)のCDが同時リリースされる(7月26日)。
 今日は、そのギロックの音楽との出合い、録音時の様子、選曲の工夫、ギロックの作品の魅力などをさまざまな角度から聞いた。
 熊本マリとは、いつも仕事の話からどんどん多方面に話題が広がり、いろんなことを自由に話すことになる。今日も近況をいろいろ聞き、今後の活動にも話が広がった。
 近いところでは、8月13日に軽井沢の大賀ホールで「ピアノ バカンス コンサート in 軽井沢」、10月20日に東京文化会館小ホールで「熊本マリの夜会」と題したコンサートが予定されている。
 ギロックに関しては、「あまり日本では知られていないけど、一度耳にするととても印象に残る曲が多い。私はこれを機に、もっとギロックの音楽を広めたいと思っている」と、熱く語っていた。
 今日の写真は、インタビュー後のワンショット。
「伊熊さんの写真、私のサイトでも使っていい?」
 ご要望に応えて送ったら、彼女のfacebookに登場するようだ。


 
| 親しき友との語らい | 23:39 | - | -
三浦文彰
 2009年、史上最年少の16歳でハノーファー国際コンクールにおいて優勝の栄冠に輝いたヴァイオリニストの三浦文彰は、ソロ、室内楽、コンチェルトと、幅広い分野で活躍を続けている。
 今日は、Bunkamuraオーチャードホールで「三浦文彰playsモーツァルト&ベートーヴェン」のコンサートがあり、初めて弾き振りをするというので聴きに出かけた。
 前半は、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219「トルコ風」で、東京フィルとともにかろやかでみずみずしいモーツァルトを奏でた。
 初めての弾き振りとは思えぬほど落ち着いており、完全暗譜でソロの部分ものびやかである。
 後半は、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61。これは長大な作品で、ベートーヴェンの創作中期にあたる「傑作の森」と呼ばれる時期の作品。シンフォニーのようなスケールの大きさと、ヴァイオリン・ソロとオーケストラとのバランスが絶妙で、3楽章ともに名人芸を要する。
 三浦文彰はヴァイオリンを豊かにうたわせ、オーケストラをリードし、ベートーヴェンの神髄へと近づいていった。
 とりわけ第1楽章終盤のカデンツァが印象的で、甘美でのびやかで抒情的なカデンツァに、三浦文彰の成長を見る思いがした。久しぶりに聴く彼のナマの演奏は、大きな変貌を遂げていたからである。
 終演後、楽屋で話を聞くと、弾き振りはとても緊張したそうで、ある指揮者に就いて指揮を学んだとか。
「リハーサルは昨日だけ。いやあ、緊張しましたよ。落ち着いているように見えましたか。僕自身は、最初からものすごく緊張していたんですけどね」といっていた。
 若き才能は、こうしたシビアな経験で大きく成長していく。また次回、どんな面を見せてくれるか、楽しみである。
 今日の写真は、宗次コレクションより貸与された、ストラディヴァリウス1704年製作「Viotti」をもつ三浦文彰。


 
| クラシックを愛す | 22:20 | - | -
ロジャー・フェデラーが新たな歴史を刻んだ!
 たったいま、ウィンブルドン2017(テニス全英オープン)の決勝が終わり、ロジャー・フェデラーがマリン・チリッチをストレートで破り、優勝を果たした。
 フェデラーは、史上最高のグランドスラム優勝第19回を達成し、新たな歴史を刻んだ。
 今回は、第1試合から決勝まで7回の試合をすべてストレートで勝ち上がり、すばらしい成績を残した。
 チリッチは途中で左足を痛め、タオルに顔をうずめて涙を流すシーンが見られた。足の痛さよりも、ここにきて痛みが出たことに対する悔しさだったのだろう。
 フェデラーは、今年のクレーシーズンをすべてスキップし、芝のシーズンに備え、ウィンブルドン優勝に向けて準備をしていた。
 インタビューで、「決勝に戻ってこられて本当にうれしい。ここは特別なコートだ。初日から最終日まで、センターコートはいつもいっぱいだった。また、来年も戻ってきたい」と話した。
 ロジャー、おめでとう! なかなかグランドスラムで勝てなくて、本当に長く辛い日々が続いたと思うけど、ウィンブルドン8回目の優勝は、特別だ。
 さて、もう一度喜びをかみしめよう。
 
| ロジャー・フェデラー | 00:07 | - | -
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