Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ゆのたに 心亭
 つい先ごろ、西荻窪のエキナカにあるDilaが閉店となり、いくつか入っていたお店が閉じてしまった。
 なかでも、私がよく通っていたのが、魚沼産コシヒカリを使ったおにぎりを販売しているゆのたに 心亭。
 ここはお米や新潟産の食材などをいろいろ販売していて、22時まで開いていたため、コンサート帰りの夜食などを買うのに便利だった。
 いまDilaのあったところは新店舗開業に向けて工事中で、6月にはデイリーテーブル紀ノ国屋がオープンするようだ。
 このおにぎり屋さんは、北口に移ると聞いていたので楽しみにしていたのだが、駅の北銀座通りのすぐのところに移転した。
 新店舗は、7時30分から20時までだそうで、いまのところお休みは設けていないという。
 以前、湯沢の仕事部屋に通っていたころから、魚沼産コシヒカリにすっかりハマってしまった。Dilaがなくなってしまって、どこでお米を買えばいいのだろうかと思っていたが、ゆのたに 心亭が新装オープンしてくれて、本当に助かった。
 ここのおにぎりは、旬の食材を使った物も多く、いつもいろんな種類がある。もうひとつ、私が大好きなのが、草餅である。これはパリッと焼いてきなこをまぶしたり、おしるこに入れると、最高である。
 今日の写真は、北口の1分ほどの場所に移転した、ゆのたに 心亭。にんじんジュースとおはぎもお薦めだ。


 
 
| 西荻はおいしい | 21:25 | - | -
四月大歌舞伎
 今日は、知人からチケットをいただいたため、歌舞伎座に四月大歌舞伎を観にいった。
 昼の部は、「醍醐の花見」「伊勢音頭恋寝刃」「一谷嫩軍記」で、あらかじめ予習をしていき、内容を把握してから臨んだ。
 ほとんど満席で、みなさん慣れているためか、お弁当や飲み物を持参したり事前に購入し、幕間に食事を楽しみながら長丁場の舞台を楽しんでいた。
 実は、歌舞伎座の裏側にマガジンハウスがある。20数年前、私はフリーになったときに「Hanako」の仕事を始め、この歌舞伎座の横の通りを何度も往復したものだ。
 歌舞伎を見終わって、この通りを見たら、急になつかしさがこみあげてきた。
 当時は、フリーになりたてで、わき目も振らずに仕事に邁進していたっけ。そのひたむきな思いが胸に蘇り、なんとも表現しがたい気持ちになった。
「初心貫徹」とはよくいうが、なかなかそれを実践するのは難しい。
 いまは、仕事の面でひとつの迷いの時期に入ってしまっている。このモヤモヤした気持ちを払拭するには、いかにしたらいいのか。
 マガジンハウスの通りを歩きながら、自己の気持ちと対峙し、名状しがたい気持ちが湧き上がってきて、正直困惑した。
 きっと、じっくり自分の内面を見つめ直せ、ということなのだろう。
 歌舞伎に招待してくれた知人に、感謝しなくちゃ。
| 日々つづれ織り | 22:41 | - | -
ナタリー・デセイ
 ナタリー・デセイの演奏は聴くたびに心に深く響いてくるものだが、やはり初来日のときの演奏が強い記憶となって残っている。
 ナタリー・デセイが初来日公演を行ったのは、2004年9月のこと。彼女の名前は、1990年にウィーン国立歌劇場で開かれた国際モーツァルト・コンクールで優勝して一躍世界に知られるところとなり、欧米の名だたるオペラハウスに出演、音楽祭からも引っ張りだこの人気となり、来日が待たれていた。
 もっとも得意とするオペラの役柄はオッフェンバック「ホフマン物語」のオランピア、モーツァルト「魔笛」の夜の女王、ドニゼッティ「ランメルモールのルチア」、ドリーブ「ラクメ」のタイトルロールなど、超絶技巧を要する役やコロラトゥーラ・ソプラノの名曲として知られるアリアが含まれるものだった。
 しかし、2000年ころからヨーロッパの新聞などのインタビューで、「オランピアや夜の女王は高い音を出すだけで面白みに欠ける。私が本当にうたいたいのは内容の充実した役柄であるヴィオレッタ、トスカ、蝶々夫人、エレクトラ、サロメ、マノンなど。そのためには低音域を磨き、表現力もより幅広いものを身につけないとならない」と語っている。
 初来日公演ではマスネ「マノン」とトマ「ハムレット」のオフェリア、ベッリーニ「夢遊病の女」のアミーナの各アリアが凄みを帯びたすばらしい歌唱で、驚異的な集中力に支配された最後のルチアでは会場が息を殺したように静まり、みな「狂乱の場」に酔いしれた。
 そんなデセイは、2010年7月のトリノ王立歌劇場の日本公演で待望のヴェルディ「椿姫」のヴィオレッタを熱演。これまでのヴィオレッタ像をくつがえす新しいヒロインを生み出した。         
 デセイは子どものころにバレエを習い、やがて女優を目指したというだけあって、演技力抜群。舞台狭しとはだしで走り回ったり寝転びながらうたったりする。どんな姿勢をとろうが、完璧に磨き上げられた歌唱はゆるがない。高音はもちろんコロコロところがる真珠の粒のようであり、また大空に飛翔していくかろやかな鳥のようでもある。
 しかし、このときは幾重にも表情を変えていく中音域の表現力の多彩さが際立っていた。「椿姫」は全幕にわたってほとんどうたいっぱなしの難役。それを幕ごとにあたかも異なった人物のように表情を変化させ、その場のヴィオレッタになりきり、聴き手の心にひとりの女性のはげしい生きざまを強烈に植え付けた。
 デセイが舞台に登場すると、そこだけ空気が変わるようだ。顔の表情からからだ全体が醸し出す雰囲気まで、すべてヴィオレッタそのもの。この演技力と表現力を兼ね備えた「奇跡の声」は聴き手の心を強くゆさぶり、もっと他の役を聴きたいと切望させる。
 これまでのヴィオレッタはアルフレードとの田舎での暮らしの場面でも着飾り、死の床でも美しいままだったが、デセイは素足だったりやつれを見せるなどリアリティが伝わってきた。昔は、オペラ歌手は棒立ちでも歌だけよければいいといわれたが、いまやオペラは演技力が欠かせなくなった。デセイの存在は、オペラそのものの新しい道を拓いている。

 あれから7年、オペラの舞台から引退したデセイは、いまや歌曲の世界で新世界を切り拓き、今回は盟友のピアニスト、フィリップ・カサールとともに前半はモーツァルト、シューベルト、プフィッツナー、後半はショーソン、ビゼー、ドビュッシー、グノーなどのフランス作品で圧巻の歌唱を聴かせた。
 デセイの歌曲の唱法は、各々の詩の世界へとひたすら没入していくもので、ひとつひとつの詩の表現があたかも台詞のようで、ストーリーを描き出していく。
 今回は、来日直前に初のシューベルトの「歌曲集」をリリース(ソニー)。これは彼女が長年研究し続けてきたもので、初期の作品から晩年の作品まで幅広い選曲による。
 ここでは、美しくかろやかで抒情的な高音を得意する、完璧に磨き上げられた歌唱を披露し、聴き手を魅了しているが、リサイタルでも繊細で気品にあふれ、みずみずしい歌声が横溢した。
 この夜は、デセイのもてるすべてが発揮された感が強く、いつもながら私は終演後に席を立てないような深い感銘を受けた。
 彼女はアンコールも次々にうたい、声の限りを尽くしたという様相を呈していた。
 曲は、ドリーブの「カディスの娘たち」、R.シュトラウスの「僕の頭上に広げておくれ」、ドビュッシーの歌劇「ベレアスとメリザンド」第3幕より、ドリーブの歌劇「ラクメ」より「美しい夢をくださったあなた」の4曲。
 まだずっと演奏の余韻が残っているため、また、徐々に胸の奥から記憶が呼び覚まされていくに違いない。
 今日の写真は、シューベルト「歌曲集」のジャケット写真。


 



| クラシックを愛す | 21:04 | - | -
スペインの風を感じて
 友人のTさんがスペインに旅をし、私の大好きな食材や料理本をお土産に買ってきてくれた。
 王室御用達のオリーブオイル、サフラン、紅茶。そしてバルセロナのカレンダーとなっている料理カレンダーと料理本。
 いずれも、スペイン好きの私の心をくすぐるものばかりで、最近のストレスフルな生活にひと吹きの涼風を吹き込んでくれる。
 Tさんは、バスク地方のラヴェルの生家を訪れたそうで、うらやましい限りだ。ラヴェルは私の大好きな作曲家だから。
 スペインは、音楽家ゆかりの地や、作品の生まれる基となった場所、作曲家がさまざまなものからインスパイアされたところが多く残されている。
 こういうお土産を眺めていると、そうした場所があれこれ浮かんでくる。しばし、夢を見させてくれるのである。
 とりわけ興味をそそられるのが、料理カレンダー。12カ月、郷土料理のすばらしい写真と、レシピが掲載されている。
 う〜ん、このアイデア、いいなあ。私も料理カレンダーを作りたくなってきたゾ(笑)。
 12人のアーティストを選んで、そのレシピをあてはめ、1年間楽しむというのはいかがだろうか。
 今日の写真は、スペインの風を運んできてくれたお土産の数々。ひとつずつ紐解いていくのが、たまらなく楽しみである。

| 麗しき旅の記憶 | 21:18 | - | -
ナタリー・デセイ
 毎回、ナタリー・デセイのリサイタルは完璧に磨き上げられたテクニックと表現力、深く読み込んだ歌詞の発音、隅々まで神経の張り巡らされた解釈など、すべてにおいて徹底した歌唱法に貫かれている。
 しかし、今夜の東京オペラシティコンサートホールでのフィリップ・カサールとのデュオ・リサイタルは、次元が違った。
 今日はもう時間がないため、ゆっくりとリサイタルについて書くことはできないが、いずれ詳細を綴りたいと思う。
 終演後、楽屋を訪ねると、ナタリー・デセイは、「今夜の自分はすべてを出し尽くした」という表情をしていた。
 今日は彼女の誕生日。アンコールが終わってからカサールが花束を携えてステージに現れ、デセイにプレゼント。そしてピアノに向かって「ハッピー・バースデイ」を弾き始め、会場を埋め尽くした満員の聴衆により大合唱となった。
 今日の写真は、デセイとカサールのツーショット。ふたりとも、すばらしいリサイタルを終え、とてもいい表情をしている。



| クラシックを愛す | 22:46 | - | -
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