Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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チャイコフスキー国際コンクール 優勝者ガラ・コンサート
 昨日は6月にモスクワとサンクトペテルブルクで行われた第14回チャイコフスキー国際コンクールの優勝者&入賞者が出演する、明日のコンサートのための記者会見が行われた(9月8日 午後7時開演 サントリーホール)。
 出席者はグランプリ、ピアノ部門第1位、聴衆賞のダニール・トリフォノフ(20歳、ロシア)、ヴァイオリン部門第2位(1位なし)、聴衆賞のセルゲイ・ドガージン(23歳、ロシア)、チェロ部門第1位、聴衆賞のナレク・アフナジャリャン(22歳、アルメニア)、声楽部門・女声第3位、聴衆賞のエレーナ・グーセワ(25歳、ロシア)の4人。
 ガラ・コンサートはオール・チャイコフスキー・プログラムで、歌劇「エフゲニー・オネーギン」より「手紙の場面」、ヴァイオリン協奏曲ニ長調、ロココの主題による変奏曲、ピアノ協奏曲第1番が演奏される。
 会見ではそれぞれが質問に答えてさまざまな返答を行ったが、全体的に非常に思慮深く視野が広く、バランスのとれた人間性の持ち主であることが判明した。
まず、エレーナ・グーセワから。
「2度目の来日です。日本が大好きですので、震災のことを考えて来日をやめようとはまったく思いませんでした。私は1年半前からようやく劇場で実際に歌えるようになり、いまは仕事が正しい形でプランニングされていくことを願っています。ステージで歌うことが大きな経験となり、学ぶ場でもあり、そこで個性を見つけ、自分らしさを付け加えていきたいと思っています。録音もたくさん聴きます。好きな作曲家はラフマニノフ、ウェーバー、J.S.バッハです」
 続いてナレク・アフナジャリャンは。
「昔からピアティゴルスキーを敬愛しています。ボストンでは彼の弟子に2年間学びました。シャフランもロストロポーヴィチも好きです。ロシア音楽全般を好みますが、特にプロコフィエフ、バッハ、ベートーヴェンの名を挙げたいです。アルメニアも1988年に大地震があり、何万人もの命が奪われました。ですから3月11日の日本の悲劇は他人ごととは思えません。自然災害のおそろしさにいま顔をそむけてどうするのかと考え、自分が力になれることはしようと思い、来日しました。今回は4回目の来日です。震災のときはアメリカにいたのですが、ぼくは日本の友人も多く、本当に心配しました。ぼくたちが公演を行うことで、日本は大丈夫だと世界に知らせることができればと思っています。今回のチャイコフスキー・コンクールはこれまでとは異なる運営がなされ、さまざまな面で大幅な変更がなされたため、非常に重要なコンクールとなりました。今後はあふれるコンサートのなかで迷子にならないよう、基盤をしっかり整えていきたいと思います」
 そしてダニール・トリフォノフは。
「日本人はとても勤勉だと思います。この1月にショパン・コンクールのガラ・コンサートで初来日し、それを強く感じました。この勤勉さは国の力となり、成功の素であり、復興の足がかりとなると思います。こうした時期にぼくも何か力になれればと思って来日しました。日本に行くことに対して、両親もサポートしてくれましたし。昔からソフロニツキー、シュナーベル、ラフマニノフらのピアニストに惹かれていますが、現在はアルゲリッチ、ペライア、ブーニンが好きです。ぼくはいま弾いている作曲家が好きになるタイプで、弾けば弾くほどその作品のすばらしさに魅せられていきます。ショパン、スクリャービン、バッハには特に魅了されています。いまはコンサートに追われる日々ですが、常に新しい作品にチャレンジしていきたい。チャイコフスキー・コンクールは、そのチャンスを与えてくれたと思います」
 最後にセルゲイ・ドガージンは。
「もっとも心惹かれているのはヴェンゲーロフです。明るい個性と限りない可能性を秘めているからです。最近は指揮活動が多いですが、ケガが治ってまたヴァイオリンを弾き始めたので、うれしく思っています。あと、オイストラフも大好きです。チャイコフスキー・コンクールはロシア人にとって特別なコンクールで、入賞するとたくさんのコンサートが約束されます。ぼくもここで一気にレパートリーが広がりました。日本の震災に関しては、ゲルギエフの姿勢をお手本にしたいと思います。彼はオセチアが大変な時期に慈善コンサートをしました。ぼくの両親はオーケストラの奏者ですが、何度も日本を訪れています。ふたりからいつも日本の文化、道徳のすばらしさを聞かされていました。ですから、初めて来日できてとてもうれしい。自分ができることは小さいかも知れませんが、世界はひとつだと思っていますし、自分にできることは何でもやるつもりです」
 とてもさわやかな記者会見だった。そして、自分の心の声をしっかりことばにできる能力と主張する力を備えていることに感動を覚えた。やはり、音楽家として若いときに頂点を目指して頑張る人は何かが違うのだと思い知らされた。
 明日のコンサートでは、そんな4人が今度は演奏で明確な自己表現をする。本当に楽しみだ。
 今日の写真は記者会見後のひとこま。左からドガージン、グーセワ、アフナジャリャン、トリフォノフ。シリアスな会見のあとだったから、ちょっと表情が堅いかな(笑)。

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