Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ダヴィッド・フレイ
 先日、フランスのピアニスト、ダヴィッド・フレイのインタビューを行った。これがすこぶるおもしろく、楽しいひとときとなった。
 フレイはスリムでおしゃれな、いわゆる美形。これまで「バッハ&ブーレーズ」「モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番&第25番」(EMI)がリリースされ、いずれもみずみずしく創造性に富む演奏。音の響きが特有で、微妙なニュアンスに彩られ、粋で洒脱。ライナーノーツも自分で執筆している。
 その録音を聴き込んでいたため、さぞ気難しく知性派で、インタビューしにくいタイプかと思ったら、まったく違っていた。
 子どものころから浮いていて、自己主張がはげしいため扱いにくい子で、「両親はすごく苦労したと思うよ」などと笑っている。
 ライナーノーツまで書くなんてすごいといったら、「あっ、もうそれやめるよ。周りにいろいろいわれるし、ぼくの文章なんかたいしたことないしね」とひとこと。昔は野性派と先生にいわれ、結構自由きままに練習していたとか。
「フランス人は先生からいわれたことに素直に従うことは少ないね。みんな自由主義、個人主義。だからぼくは室内楽が大好きなんだけど、合う人をみつけるの、大変なんだよ」
 今日は、そんなフレイのコンチェルトを聴きに出かけた。パーヴォ・ヤルヴィ指揮パリ管弦楽団との共演で、ラヴェルのピアノ協奏曲ト長調だ。
 フレイの音はやはりとてもエレガントで柔軟性に富み、弱音が美しい。ユニークな性格がそのまま音に反映し、これまで聴いたどのラヴェルとも違った豊かな色彩感にあふれる演奏だった。
 彼はドイツ作品がとても好きだという。リサイタルでもモーツァルトとベートーヴェンを組んでいたが、今後の大きな挑戦はベートーヴェンのピアノ・ソナタ第29番「ハンマークラヴィア」だそうだ。
 このインタビューは「日経新聞」、ヤマハWEBの「音楽ジャーナリスト&ライターの眼」に書く予定にしている。
 今日の写真はインタビュー時のフレイ。実は、子ども時代の話になったとき、「ちょっと待って、写真があるんだよ」と携帯の写真を探していて、ものすごくかわいい2歳くらいのときの金髪の写真を見せてくれた。あまりにかわいいので、それを私の携帯で写そうとしたら、「ダメ、ダメ。これは秘蔵品」といわれてしまった。ああ、残念。両親を困らせるような子どもではなく、すごく素直そうで、みんなに愛される顔をしている写真だったのにな。いまとは大違い。ウソ、ウソ、ごめんね(笑)。
 ともあれ、演奏も性格もとてもユニークで今後が楽しみ。今日のアンコールではシューマンとバッハを演奏したが、やはりドイツ作品に秀でているようだ。


| アーティスト・クローズアップ | 20:57 | - | -
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