Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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杉谷昭子
 よく、音楽は恩師から弟子へ、そしてそのまた弟子へと受け継がれていくものだという話を聞くが、杉谷昭子の話を聞いてその思いを強くした。
 彼女はチリが生んだ巨匠、クラウディオ・アラウの日本人としては最後の弟子にあたる。アラウはリスト晩年の高弟、マルティン・クラウゼに師事しているから、杉谷昭子はリストの流れを汲むことになるわけだ。
 そんな彼女が「クラウディオ・アラウへのオマージュ Vol.1」と題したリサイタルを4月28日に浜離宮朝日ホールで行うことになった。
 先日インタビューしたときには、アラウのすばらしい人間性、精神性、音楽性をじっくりと語ってくれたが、実際に偉大なピアニストから教えを受けた人の話は説得力があり、アラウが少しだけ近い存在に思われるようになった。このインタビューは次号の「音楽の友」に掲載される予定になっている。
 杉谷昭子は、今回アラウの得意とした作品や彼女がレッスンを受けた作品を中心にプログラムを組み、リスト、クラウゼ、アラウ、杉谷昭子と受け継がれてきた奏法、表現、解釈、精神性をピアノに託す。
 彼女は「ピアノに向かうと人間性が変わる」という。本当はかわいい女、やさしい人間でありたいのに、ピアノと対峙した途端、内からのエネルギーが全開し、ものすごく熱い演奏を展開してしまうのだそうだ。
 ピアニストの多くがそうであるように、彼女もことばで自己表現するよりも、ピアノを弾いたほうが率直に自分を表現できるのかもしれない。
 杉谷昭子は37年間ドイツで暮らしたが、ドイツ語を理解するためにアラウから本を読むことを勧められたという。
「本は人生を豊かにしてくれます。さまざまな分野の本を読むようにしていますが、これもアラウ先生の教えです」
 こう語る彼女は、アラウがいつも書店に行くのにつきあわされ、抱えきれないほど多くの本を買う恩師を見てきたという。
 この話を聞いて、仕事部屋にまだ読んでいない本が山積みになっていることを思い出した。私もじっくり読書する時間を作らないと、いけないなあ。
 読みたい本はどんどん積み重なり、その横に各社から送られてきた山のような紙資料や音資料がさらに積み上げられ、そのひとつひとつに目を通していかないとならない。
 どうやって時間を作るか。これがいつも私の頭を悩ませ、自分のキャパシティの限界を知ることになり、いつしかストレスがたまっていく。
 でも、杉谷昭子の前向きな話を聞き、一歩一歩解決していかなくちゃ、という思いに駆られた。それにしてもこの資料の山、どうしたらいいんだろう。私ってこんなにも整理が下手だったんだっけ、と考え込んでしまう。
 今日の写真はインタビュー後の杉谷昭子のおだやかな表情。私に読書の大切さを教えてくれ、感謝しています。ただ、その前に整理整頓が…ムムム。


 
 
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