Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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アルペンスキー
 スキーをしなくなってから、もう何年たつだろうか。小学生のころから親しんできたスポーツだったが、いったん行かなくなるとどんどん遠のき、いまでは雪を見ると雪見酒のほうに魅力を感じる。あかんなあ(笑)。
 そんな私がもっぱらテレビ観戦して楽しんでいるのが、ヨーロッパで行われているアルペンスキーの大会。
 昨日はアルペンスキー・ワールドカップの最終戦の会場、オーストリアのシュラドミングでスラロームが行われた。今季、引退を宣言したスイス出身のスター選手、ディディエ・キュシュ(1974年生まれ)が滑るとあって、私は楽しみにしていたのだが、その最後に粋なセレモニーが用意されていた。
 キュシュの最後を観戦しにきた人々に向けて、彼は昔のウェアとスキーを身に着け、リュックまで背負って滑降したのである。すごく滑りにくそうで、何度もころびそうになりながら、ところどころで関係者や世話になった人たちと握手や抱擁を交わし、ようやくゴールにたどり着いた。
 そしておなじみのスキーをはずし、くるりと回転させて手でキャッチするポーズも披露。観客は沸きに沸いた。
 このときは参加した選手たちがみな滑り終わるとキュシュのこのポーズをまねしたのだが、彼のようにうまくいく人はいなかった。
 私は以前、「ミスター・メダリスト」と呼ばれたノルウェー出身のチェーティル・アンドレ・オーモット(1971年生まれ)を応援していた。彼は冬季オリンピック、アルペンスキー世界選手権、アルペンスキー・ワールドカップで多数のメダルを獲得。1993年には世界選手権盛岡雫石大会で大回転と回転で優勝し、複合で第2位に入った。
 私はスポーツを見る場合、力で押すタイプではなく、芸術的なプレーをする人が好きなのだが、オーモットの滑りはとても流麗で華麗で美しく、ほれぼれとしたものだ。しかし、どんなにメダルを取っても謙虚で、インタビューなどに応える素顔はとてもシャイ。そこもいいんだよね(笑)。
 でも、2007年に35歳で引退してしまった。残念無念…。
 昨日のキュシュの滑りを見ていて、急にオーモットをなつかしく思い出してしまった。実は、大分前のことになるが、ノルウェーのトランペット奏者、オーレ・エドワルド・アントンセンと話をしていたとき、ノルウェーでは著名な音楽家とトップアスリートの懇親会があり、そのなかで集中力や心身のコンディションのもっていきかた、バランスのとりかた、練習方法、食事の内容、モチベーションの維持などについて話し合うことがあるのだといっていた。音楽家とアスリートは多くの共通項があるため、国が率先してそういう交流の場を設けているのだそうだ。
 そのときに、私が長年オーモットを応援していると話したら、アントンセンは目を丸くて「ホント? いやあ、びっくりしたよ。日本でウチの選手を応援してくれる人がいるなんて、うれしいなあ。帰国したらみんなに報告しなくちゃ。それもスポーツを書いている専門家ではなく、クラシックのジャーナリストから名前が出るなんて、ホントうれしい驚きだ。でも、ノルウェーにはたくさんのいい選手がいるんだよ。オーモットだけではなく、もっとほかの人も応援してよ」といわれた。「でも、私はオーモットがいいの」と答えると、アントンセンは「ああ、ファンは偉大だー」といって手を広げ、肩をすくめ、天を仰いだ。
 ちなみに、アルペンスキーには滑降(ダウンヒル)、スーパー大回転(スーパー・ジャイアント・スラローム、スーパーG)、大回転(ジャイアント・スラローム)、回転(スラローム)、複合(コンバイン)、スーパー複合(スーパー・コンバイン)の種目があり、それぞれおもしろいが、私はなんといってもスーパーGのファン。こんなに心が高揚する滑りはありませんゾ。
 まだ観戦したことがない人は、ぜひ見てくださいな、テレビカメラが猛スピードで降りて行く選手を追いかけるので、あたかも自分が滑っているような疑似体験ができるんです。ああ、雪山の空気とあの上から一気に滑り降りるときの爽快感、なつかしいなあ。あったかいところでぬくぬくしながらテレビ見ているだけじゃダメだよね。からだがなまってくるから。さて、フィットネスに行って、少しは動きますか(笑)。
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