Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ユーリ・バシュメット&モスクワ・ソロイスツ合奏団
 昨日は、ユーリ・バシュメット指揮モスクワ・ソロイスツ合奏団のコンサートがあり、オペラシティに出かけた。
 このコンサートはバシュメットの60歳記念公演と銘打たれ、彼の60歳のお誕生日である1月24日にはモスクワでパースティ・コンサートが華々しく開催され、その流れで日本公演も祝祭的な雰囲気に包まれた。
 まず、バシュメットが親しく交流していたアルフレッド・シュニトケの「室内オーケストラのためのトリオ・ソナタ(バシュメット編)」からスタート。静けさと激情、新ウィーン楽派の流れと前衛的な音楽などのコントラストを際立たせた演奏となった。
 モスクワ・ソロイスツは、以前聴いたときよりも響きの深遠さが増し、濃密なアンサンブルが際立っていた。
 この作品の冒頭には、ベルク生誕100周年と関連した「ハッピー・パースデイ」に基づくリズムが現れ、この日の始まりにピッタリだった。
 次いで、シューベルトの「アルペジオーネ・ソナタ」(クルーグ&バラショフ編)のオーケストラ伴奏版が登場。タクトをヴィオラに持ち替えたバシュメットが、シューベルトの歌謡的な旋律を味わい深く聴かせた。
 この夜は、皇太子殿下がご臨席のコンサートとなった。殿下はヴィオラを演奏なさるから、バシュメットの演奏と作品は、より身近に感じられたのだろうか。盛んな拍手を送られていた。
 後半は、樫本大進がソリストとして加わり、モーツァルトの「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調」が演奏された。大進の演奏はデビュー当時から大きな変貌を遂げた。
 ベルリン・フィルでの日々の演奏が、こんなにもひとりのヴァイオリニストの精神性、音楽性、表現力、そしてテクニックに影響するものだと、感慨を新たにした。 
 大進の輝かしくおおらかで天空に舞い上がっていくような音色と、バシュメットのほの暗い情熱、内省的で思慮深く、ときに沈静していくような音色が融合すると、モーツァルトがこの作品に求めたものが深く理解できる。名手たちによる名演を聴く喜びはここにあり、という演奏だった。
 この夜は、終演後に深夜までバシュメットのバースデイ・パーティが行われた。
 もっとも興味深かったのは、音楽事務所が用意した還暦用の赤い衣裳を彼が喜んで身につけたとき。あまりに似合うため、居合わせた全員が大爆笑となった。
 今日の写真は、バシュメットと大進がスピーチをするところ。バシュメットが赤い衣裳をはおったところ。そして、すばらしいデザインのバースデイケーキ。実は、ヴィオラの裏側に、熱燗に目のないバシュメットのために、徳利とおちょこが潜んでいる。これにも大笑いしてしまった。
 こんな粋な配慮に、バシュメットは終始ごきげんだった。



 



 
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