Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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アーティスト・レシピの評判
 今日の午前中、「クラシックはおいしい アーティスト・レシピ」の本のプロデューサーを務めてくれたSさんから電話が入った。なんでも、彼の奥さまが本をとても気に入ってくれ、知人にプレゼントするため複数冊の本を購入してくれたそうだ。
 そのお礼をいったところ、こんな話を聞かせてくれた。
 S家にはたくさんの猫がいて、ふだんから隣家にいろんな面で迷惑をかけているという。その隣家からいつもクラック音楽が聴こえてくるため、奥さまが私の本をもって日ごろの迷惑を詫びながら、本をプレゼントしたそうだ。
 それが昨日の夕方の話。その隣家のご主人は、スペイン語を学校で教えている人だそうで、大変なクラシック好き。特にスペイン音楽に目がないらしい。
 本を渡されたその人は、夜から読み始め、一睡もせずに朝までかかって読んでしまったという。
「それで、いまウチの奥さんのところに興奮した面持ちでやってきて、本の感想をまくしたてたんだって。いままで長い間、料理から遠ざかっていたんだけど、本を読んでいたらむくむくと料理熱が湧き、スペイン関係の物からまた始めたいと思ったそうだよ」
 Sさんは広尾に事務所を構えている。そこに着いて仕事をしているときに奥さまから電話がかかり、それを伝えるために私に電話がかかってきたという次第だ。
 こういう話を聞くと、本当にうれしい。私はひとりでも多くの人にクラシックを聴いてほしいという願いからこうした本を書いているが、その思いが伝わり、元気がもらえる。
 私も大のスペイン好きだから、Sさんの隣家のご主人に会いたいくらいだ。きっとスペインという共通項から話がはずむに違いない。
 そのご主人は、夏になると1カ月というもの北海道の別荘にひとりこもり、音楽を聴いているのだそうだ。
 なんとぜいたくな生き方をしている人なのだろう。その別荘に、ぜひ私の本をお伴として連れていってほしいな(笑)。
 Sさんは、このようにいつも私を元気づけ、自信を与えてくれる。私は「メンター」だと勝手に思っているのだが、なにしろ名うてのコワモテだから、うっかりしたことはいえない。
 奥さまは「サロネンのオイルサーディン」を気に入ってくれたようで、来年の春から初夏にかけてひこいわしが魚屋さんに並んだら、すぐに作るといっているそうだ。
 いつも魚屋さんに山盛りのひこいわしが200円くらいで売られているのを見て、どうやって食べるのかと思っていたとか。
「そうか、オイルサーディンか、と思ったらしいよ。もう圧力鍋も用意して、伊熊さんのレシピをずっとながめているよ」
 Sさんは、ふだんあまり家庭の話はしないのだが、今日は奥さまの話がたくさん出て、さらに本の感想も山ほど聞かせてくれた。
 本当に、ありがとうございます。私はそのレシピができあがるまで、10回ほど失敗したけど、その通りに作ってもらえば大丈夫。きっとおいしいオイルサーディンができますよ〜。
 また、だれか本の感想を聞かせてくれないかなあ…。
  
  
| 親しき友との語らい | 22:54 | - | -
再びバーミンガム市交響楽団
 先日のアンドリス・ネルソンス指揮バーミンガム市交響楽団の演奏があまりにもすばらしかったため、今日もまた東京芸術劇場に聴きにいった。
 前回のソリスト、エレーヌ・グリモーのブラームスもまだ心に強烈な印象が残っているが、今日のソリスト、ヒラリー・ハーンのシベリウスのヴァイオリン協奏曲も作品の魂に寄り添う演奏で、彼女がいま心身ともに充実した時期を迎えていることが伝わってきた。
 ヒラリー・ハーンは以前インタビューをしたとき、「私はひとつのステージで、必ずバッハを弾かないと気がすまないくらいバッハが好きなの」と語っていたが、今日もアンコールにJ.S.バッハの「無伴奏パルティータ」第2番から「サラバンド」を演奏した。
 このバッハのなんと美しく敬虔で高雅だったことか。やはり本当に心から愛する作品を演奏すると、奏者の強い思いがまっすぐに聴き手に迫ってくる。
 今日のプログラムは、ワーグナーの歌劇「ローエングリン」から第1幕への前奏曲からスタート。そしてシベリウスへと続き、後半はチャイコフスキーの交響曲第5番だった。
 冒頭のワーグナーから、指揮者とオーケストラとの一体感が見事で、細部まで神経の行き届いた非常に精緻な音楽が紡ぎ出された。
 チャイコフスキーの第5番はこれまで何度もいろんなオーケストラで聴いてきたが、まったく新しい作品を聴くような新鮮さが全編に宿り、ネルソンスのひとつのドラマを描き出していくような表現力豊かな音作りが際立っていた。
 アンコールは日本語が話せる楽員が説明し、会場の笑いを誘った。エルガーの「朝のうた」が登場し、これもまた流麗で幻想的な演奏。
 こういう演奏に触れると、寒さも忘れ、疲れも吹き飛び、からだの奥からエネルギーがふつふつと湧いてくるのを感じる。なんという強いエネルギーなのだろうか。これが音楽のもつ力なのだろう。
 さて、ネルソンスはボストン交響楽団に移ることが決まったし、バーミンガム市交響楽団の次期音楽監督はだれになるのだろうか。このオーケストラは先見の明があるから、きっとまたみんなをあっといわせる指揮者の名を発表するに違いない。早く知りたいなあ(笑)。
| クラシックを愛す | 00:05 | - | -
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