Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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マルリス・ペーターゼン
 いまは「東京・春・音楽祭」の真っただ中である。
 ここ数年、毎年プログラムのエッセイを書いているため、何度か音楽祭のコンサートに足を運んでいる。
 今日は、ドイツのソプラノ、マルリス・ペーターゼンのリサイタルを聴きに東京文化会館小ホールに出かけた(ピアノはイェンドリック・シュプリンガー)。
 プログラムがすばらしく、生誕150年のR.シュトラウスとシューマンを組み合わせたもので、現代作品を得意とするペーターゼンならではの、1990年に作曲されたヴォルフガング・リームの「赤」が挟み込まれていた。
 R.シュトラウスの「献呈」からスタートしたリサイタルは、シューマンの「女の愛と生涯」へと続き、R.シュトラウスの「おとめの花」で前半を閉じた。
 ペーターゼンの声は、クラシカル・コロラトゥーラといわれている。ヨーロッパのオペラハウスからはひっぱりだこで、リートにも意欲を注いでいる。
 確かに高い声で、その高音域は張りのあるクリアな歌声。しかもとても強靭なのどをもっているようだ。高音を張り上げる箇所など、ごく自然に楽々とうたい、けっしてぶれない。表現力もとても豊かで、ひとり芝居をしているよう。
 後半はR.シュトラウスの「オフィーリアの歌」から開始。徐々に狂っていくオフィーリアをあたかもオペラの舞台のような演技力でうたいきった。
 ここでリームの「赤」が登場。18世紀ドイツ・ロマン派の女性詩人カロリーネ・フォン・ギュンダーローデの詩による連作歌曲で、愛のせつなさや少年の悲しみ、戦乱の夕闇など、深い表現力が要求される曲を一瞬たりとも飽きさせずに、強い集中力をもって聴かせた。
 リームの曲では楽譜立てが使用されていたが、終わるとさっと楽譜立てを奥に運び、「さあ、最後の曲よ。じっくり聴いてね」とばかり、気分を変えてR.シュトラウスの「ツェチーリエ」をはなやかにうたい始めた。
 ペーターゼンの名前はまだわが国ではあまり知られていないが、かなりの実力者。著名な指揮者との共演や音楽祭にも招かれ、レパートリーも幅広い。
 かなり長身で大柄。R.シュトラウスの歌唱法はオクタヴィアンにピッタリだが、なにしろ声域は高いため、役柄には合わない。だが、今度はオペラをぜひ聴いてみたいと思わせた。
 今日は久しぶりに本格的なR.シュトラウスのリートを聴き、作品のすばらしさに改めて感銘を受けた。
 アンコールは3曲。R.シュトラウスの「万霊節」とシューマンの「献呈」と、即興で作ったという「さくら」。この即興にピタリとピアノが寄り添い、「お見事」のひとこと。
 最初のR.シュトラウス「献呈」と、最後のシューマン「献呈」を聴くことができ、もともと両曲が大好きな私は、その旋律が頭を離れなくなった。
 写真は「東京・春・音楽祭」10周年のプログラムの表紙。この音楽祭のメーンカラーは、季節そのもののさくら色です!


 
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