Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ザ・フィルハーモニクス
 自然にからだが動き出し、手拍子足拍子を伴い、足先でリズムを刻む。心は天空に飛翔してゆき、目元がゆるみ、昂揚感に満たされる。
 今日は、東京芸術劇場にザ・フィルハーモニクスのコンサートを聴きにいった。
 ザ・フィルハーモニクスはウィーン・フィルのメンバーを中心に結成されたアンサンブルで、ウィーンの空気をただよわせながらハンガリー、ボヘミアの作品からピアソラまで嬉々とした表情で演奏する。
 メンバーは、ヴァイオリンのティボール・コヴァーチ、ローマン・ヤーノシュカ、ヴィオラのティロ・フェヒナー、チェロのシュテファン・コンツ、コントラバスのエーデン・ラーツ、クラリネットのダニエル・オッテンザマー、ピアノのフランティシェク・ヤーノシュカの7人。全員が超のつく名手で、しかもジャンルを超えてクラシックからロマ音楽、ジャズまで躍動感あふれる溌溂とした演奏で聴かせる。
 笑っちゃうほどうまく、舌を巻くほど超絶技巧を楽々と演奏。お互いに顔を見ながら、アイコンタクトを取りながら、笑みを浮かべて弾きまくる。
 土の香りのする民族色豊かな作品もあれば、スタイリッシュでロマン的な音楽も登場。すべてが一級の演奏で、テンポの揺らしやリズムを追い込んでいくところ、主題を各楽器に手渡していくところなど、変幻自在。
 入念なリハーサルに基づいた演奏なのだが、あらゆるところに即興性が顔をのぞかせ、聴き手の心をあおっていく。
 コヴァーチのトークも交え、メンバー紹介も行われ、ライヴハウスで聴いているような雰囲気をただよわせていた。
 ピアソラの「オブヴィリオン」では、粋なタンゴのリズムが7人の絶妙なアンサンブルでこれまで聴いたこの曲とはまったく別の新鮮な感覚を生み出し、ブルッフの「コル・ニドライ」では、チェロのコンツが心の歌を奏でた。さらにショウの「スイング・タイム」では、クラリネットのオッテンザマーが小気味よいノリを見せ、一気にエンターテイナーの様相を深め、やんやの喝采を浴びた。
 ザ・フィルハーモニクスは「魅惑のダンス〜私のお気に入り」と「オブヴィリオン〜美しきロスマリン」の2枚のCDがリリースされたばかり(ユニバーサル)。凄腕の超絶技巧が存分に楽しめ、心身が浮き立つ感じになるが、まさに今日のナマ演奏は、彼らの人間性も浮き彫りになり、「ぶったまげたー」というのが正直な感想(笑)。
 日本人は礼儀正しく静かに聴いていて、大騒ぎすることはけっしてないけど、これは海外では会場がどんでもなく熱くなるんだろうな、と思った。
 でも、アンコールが終わったとき、私はつい嵐のような拍手につられ、「ブラヴォー!」と叫んでしまった。
 いやあ、心底楽しませていただきました。これが音楽の力ですねえ。彼らの約半数は恰幅がよく、圧倒されるほどの存在感だったが、音楽はそれ以上の迫力だった。
 帰宅してからも、まだ7人の音が耳の奥で鳴っている。
 今日の写真は、新譜のジャケット。こんな個性的なメンバーです!!


 
 
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