Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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河村尚子
 デビュー当初からその人の才能を信じ、応援し続けているアーティストが若木がぐんぐん空に向かって伸びていくような活躍を見せると、自分の信じていたことがまちがっていなかったと、自信のようなものが湧いてくる。
 河村尚子は、最初に演奏を聴き、インタビューをしたときから「この人は伸びる」と確信した。
 いまや彼女は国際舞台で活躍するピアニストとなり、録音も定期的にリリースし、ドイツの大学で教鞭も執り、著名な指揮者やオーケストラと共演し、室内楽でも幅広いアーティストと演奏を行っている。まさにこの10年で、大きな飛躍を遂げたピアニストとなった。
「あっというまだったような、でも、いろんなことがあったので、長かったような…」
 先日、インタビューで会った彼女は、日本デビュー10周年を迎えて、感慨深げに語った。
「これまでは教会でのセッション録音でしたが、今回は初めてのライヴ録音です。コンチェルトではもちろん緊張はしましたが、指揮者とオーケストラがすばらしかったため、気持ちよく演奏することができました」
 河村尚子の日本デビュー10周年アニヴァーサリー・リリースCDは、昨秋プラハでイルジー・ビエロフラーヴェク指揮チェコ・フィルと共演してドヴォルザーク・ホールで演奏したラフマニノフのピアノ協奏曲第2番と、チェロのクレメンス・ハーゲンとのデュオによるラフマニノフのチェロ・ソナタと、ラフマニノフの前奏曲3曲というラフマニノフ・アルバム。
 彼女は恩師のクライネフからロシア・ピアニズムの真髄を伝授され、ラフマニノフを愛したクライネフの思いをいまも大切に、作曲家の魂に迫る。
 今回のラフマニノフづくしのアルバムは、ラフマニノフのさまざまな面を聴くことができる。このインタビューは「intoxicate」の秋の号に掲載される予定だ。
 河村尚子のこのコンチェルトは、現地で絶賛され、本人も非常に思い出深い演奏となったようだ。
 コンサートは10月9日から11日まで3日間行われ、地下に設置された録音機材のあるところですぐに演奏を聴くことができたそうだ。
「ですから、初日の演奏を聴き、スタッフとともにここはもう少しこうしよう、この方がいいかもしれないと、話し合いをもつことができました。公開ゲネプロもあり、そこには着飾った年配の方々や、きちんとした服装の小学生たちも聴きにきてくれたんですよ。本番よりは安いチケットで入れるため、みんなチェコ・フィルの演奏をとても楽しみにしているようです。こういう制度はすばらしいなあと思いました」
 プラハの町も散策し、歴史と伝統を感じさせる空気を味わいながら、すばらしい音響の美しいホールで演奏でき、貴重な体験をした。
「チェコ・フィルの弦の響きは、本当に特有のものがありますね。ビエロフラーヴェクさんもとてもソリストを大切にしてくれるマエストロで、のびのびと弾くことができました」
 なお、クレメンス・ハーゲンとのデュオは、ドイツのエルマウ城のコンサートホールでのライヴ。この城は上質なホテルとなっていて、そのなかにホールがあり、周囲は一面の緑で、とても環境がいいところだそうだ。
 新譜は、9月24日にリリースされる(ソニー)。
 今日の写真は、インタビューの前日、日本に帰国したばかりという河村尚子。疲れも見せず、元気に答えてくれた。会うたびに堂々と、たくましくなっていく彼女。自信に満ちている感じで、10年間の濃密な歩みが演奏と言動にあふれている。



 
| 親しき友との語らい | 22:11 | - | -
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