Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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福間洸太朗
 どこか雰囲気がフィギュアスケートの選手に似ているなあ、と感じてしまった。
 先日、ピアニストの福間洸太朗と話していて、なぜかそう感じたのである。容姿とか、具体的にどこかが似ているわけではない。あとで編集の方と話していたら、彼の凛とした、背筋をビシッと伸ばした姿勢がそう感じさせるのではないか、ということになった。
 福間洸太朗は1982年生まれ、東京都出身。パリ国立高等音楽院とベルリン芸術大学・同大学院、コモ湖国際ピアノアカデミーで学び、2003年クリーヴランド国際コンクールで優勝に輝いた。以後、多くのコンクールにも入賞を果たし、南北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、アジアの5大陸で活発な演奏活動を行い、各地のオーケストラとも共演している。
 スケジュール表を見せてくれたが、各地でのコンサートがびっしり詰まっていて、まさに超多忙なピアニストの日程となっていた。
 その彼が9月に「展覧会の絵(仮題 日本コロムビア)」をリリースする。そしてCDを記念したリサイタルを10月24日に浜離宮朝日ホールで行うことになっている。
 こうした内容に関するインタビューを行ったのだが、福間洸太朗はいずれの質問にも流れるようななめらかな口調で話し、録音時の様子、コンサートへの抱負を熱く語った。
 このインタビューは、秋の号の「intoxicate」に書く予定になっている。
 作品については多くを語ってくれたが、もっとも興味深かったのは、南米での演奏旅行の話。とんでもなくアバウトなコンサートの仕切りや主催者のあきれるほど大雑把な対応があれこれ飛び出し、聞いていて大笑いしてしまった。
 もちろん、当の本人は、ひとつずつ大変な思いをしているのだろうが、それを難なくクリアしているところが、実にたくましい。
 福間洸太朗は貴公子のような涼やかな表情をしているが、性格は前向きで社交的で怖いもの知らずのようだ。
 自分の意思を伝えたいために語学をマスターし、さまざまな人との交流を楽しみ、それを演奏に生かしている。
 よく、日本の男性は多分にシャイで、パーティなどで知らない人と話すのが苦手、自分のことを話すのは控えるという人が多いといわれるが、彼の場合は積極的にみんなのなかに入っていく。
 その例が、スイスのフィギュアスケートの選手、ステファン・ランビエールとの出会いだ。空港で彼を見つけ、話しかけて自己紹介したことがきっかけとなり、いまではメール交換するほどの仲になったという。
 こういう話を聞くと、う〜ん、日本人もここまで国際的になったのね、と感心してしまう。これはなかなかできることではない。
 福間洸太朗の10月のリサイタルは、「鐘に共鳴するロシア魂」と題され、ラフマニノフ、チャイコフスキー、スクリャービン、ボロディン、バラキレフ、そしてムソルグスキーの作品でプログラムが組まれている。
 ロシアの友人に誘われて、彼のサンクトペテルブルクの自宅にホームステイをしたときの話もおもしろかった。私も外国人の家にホームステイするのは平気な方で、みんなに不思議がられるが、彼はひんぱんに欧米の演奏する土地でホームステイをしているようだ。
 こういうピアニストは、もっともっと国際的に活躍してほしい。そして視野の広い演奏をし、聴き手を作品が生まれた土地へといざなってほしいと願う。
 今日の写真はインタビュー後の福間洸太朗。雑談のときに聞いたのだが、子どものころにフィギュアスケートをちょっと習っていたとか。やっぱりね、どこかその雰囲気がある感じがしたんだ(笑)。


 
 
| アーティスト・クローズアップ | 22:50 | - | -
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