Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ベートーヴェン・フリーズ
 10月、ウィーンに出張した際、分離派教会セセッシオンでグスタフ・クリムトが制作した壁画の大作「ベートーヴェン・フリーズ」を見た。
 もちろん、「家庭画報」の新年号では大きく取り上げられている。
 分離派とは、19世紀末、従来の保守的で閉鎖的な芸術協会から離れ、また、皇帝や貴族の庇護を受けずに自由な作品発表の場を求めた芸術家たちの運動を意味し、彼らが築いた建物がこの分離派教会である。
 ウィーンではクリムトを会長として、1897年に発足された。
 セセッシオンは、地下鉄のカールスプラッツ駅の近くに位置し、月桂樹の葉をモチーフにした透かし彫りの屋根が特徴で、これは「黄金のキャベツ」と呼ばれて親しまれている。




 クリムトの壁画は地下に展示されており、部屋の左側の壁から右側に進んでいくスタイルで、ベートーヴェンの「第九」の第4楽章をモチーフとしている。
 この壁画は1902年の分離派展のときに描かれた大作で、展覧会後に撤去されたが、何人かの収集家の手に渡り、戦火を逃れ、1985年のウィーン市による世紀末展を機に再びセセッシオンに設置されることになった。
 実際に見ると、クリムトの特徴である黄金色が随所に用いられ、官能的で幻想的で、かつ不気味な面も見受けられる。この部分は人間の苦悩や欲望、不摂生を描いているそうで、最後は芸術による理想の領域へと到達する。
 ところどころ空白が見られるが、これは休符を意味するという。
 今日の写真は、その壁画。クリムトの類まれなる天才性に触れ、しばらく絵のそばから離れられなかった。
 今年、一番感動した絵である。








 
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