Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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アンドレアス・オッテンザマー
 よく親の仕事は継がないという話を聞くが、オーストリアのクラリネット一家、オッテンザマー家は例外だ。
 父親のエルンスト・オッテンザマーは、長年ウィーン・フィルの首席奏者を務めていることで知られ、長男のダニエル・オッテンザマーはその跡を継ぎ、2009年にウィーン・フィルの首席奏者に就任した。このふたりには以前インタビューをしたことがあり、演奏も聴いてきたが、昨日は次男のアンドレアス・オッテンザマーに話を聞くことができた。
 彼は1989年生まれ。父はオーストリア人、母はチェリストでハンガリー人である。4歳からピアノを習い、10歳でチェロを学び、2003年よりクラリネットを習うようになった。そしてベルリンに留学し、ベルリン・ドイツ交響楽団首席クラリネット奏者を経て、2011年に21歳でベルリン・フィルの首席奏者に就任した。
 すばらしい経歴の持ち主だが、さらに2013年にはドイツ・グラモフォン/マーキュリー・クラシックスと契約、ソロ・クラリネット奏者として史上初めて「イエロー・レーベル」の専属レコーディング契約を結ぶという快挙を成し遂げた。
 昨日のインタビューでは、自身のルーツであるハンガリーとブラームスに焦点を当てた新譜に関しての話や、名手ぞろいの共演者について、現在の活動、ベルリン・フィルのこと、家族のこと、子ども時代のことなど、さまざまな話を聞いた。
 写真は、新譜「ブラームス ハンガリアン・コネクション」(ユニバーサル)のジャケット写真。




 アンドレアスは大変なイケメンで、モデルも務めているようだが、素顔は次男坊らしくやんちゃで陽気で、飾ったところがまったくない。父親も兄もクラリネット奏者なのに、どうして同じ楽器を?と聞いたら、「すごく自然に始めたんだ。家にはピアノがあってその下にチェロが置いてあって、ピアノの上にはクラリネットが乗っていた。みんな楽しそうに吹いていたから、ぼくもやってみたんだ」とのこと。
 このインタビューは、数か月先の「日経新聞」に書く予定である。
 そして今日は、トッパンホールにリサイタルを聴きにいった。アルゼンチン出身のピアニスト、ホセ・ガヤルドとの共演で、ウェーバーやブラームスの作品から、ピアソラ、ガルデル、アンヘル・ビジョルドというタンゴも演奏。ハンガリーのレオ・ヴェイネルも加わり、多彩なプログラムとなった。
 アンドレアスの演奏は、表現力豊かであくまでも自然体。クラリネットが人間の声のように多彩な表情をもち、豊かにうたい、語りかけ、ときにささやき、またあるときは天上の歌を奏で、タンゴでは躍動し、ブラームスではほの暗く晩秋のような音色を響かせる。
 しかし、その底にはクラリネットの名門一家で育った伝統と歴史、品格が宿り、ベルリン・フィルの首席奏者らしく王道をいく演奏に徹している。
 インタビューのときに印象深かったのは、「音楽を楽しむことができなかったら、やめていると思う。ぼくはいつも演奏を楽しみ、仲間とアンサンブルをすることに無上の喜びを感じる。ずっとこの気持ちを大切にしたい」と話していたことだ。
 今日の写真は、インタビュー後のリラックスした表情。彼は7月にアンサンブル・ウィーン=ベルリンのメンバーの一員として来日する予定。新しいメンバー構成になったアンサンブルは、弦楽四重奏曲の編曲版など、新鮮なプログラムが組まれている。


 

 
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