Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ハイティンク指揮ロンドン交響楽団
 昨日は、ベルナルト・ハイティンク指揮ロンドン交響楽団のコンサートを聴きにサントリーホールに行った。
 ハイティンクは現在86歳だが、かくしゃくたる姿で登場し、ロンドン響とは「特別な何か」で結ばれているといわれるように、その絆の深さを存分に披露した。
 まず、第1曲目は私がこよなく愛すマレイ・ペライアをソリストに迎えたモーツァルトのピアノ協奏曲第24番。ペライアのえもいわれぬ美しく、情感豊かで、たっぷりとうたうピアノが全編にあふれ、ピアノとオーケストラの音の対話が濃密で、モーツァルトのシンプルでかろやかな美質が存分に堪能できた。
 後半は、マーラーの交響曲第4番。こういうプログラムだと、男性ファンが多くホールに詰めかける。この夜も、マーラーを聴きにきたという表情をした男性が、ホールを満たしていた。今回のロンドン響のプログラムは、ブルックナーの交響曲第7番やブラームスの交響曲第1番が組まれている日がある。きっと、こうした日も、シンフォニー好きの男性が駆けつけるのではないだろうか。
 ロンドン交響楽団は、弦楽器が非常に精緻で精確で流麗。管楽器の高度な技巧も際立ち、まさにマーラーの交響曲第4番の交響的歌曲という表現形態にぴったりである。
 今回のソプラノは、アンナ・ルチア・リヒター。ケルン大聖堂少女聖歌隊でうたっていたという経歴の持ち主で、2011年のシューマン・コンクールで優勝を果たしている。
 とても浸透力の強い歌声で、弱音でもホールの隅々までしっとりと響いていく。マーラーの交響曲第4番を得意としているようで、ハイティンクとはこれまでも共演している。
 ハイティンクはこれまでさまざまなオーケストラと来日しているが、礼儀正しく静かに聴いてくれる日本の聴衆と、日本食が大好きだそうだ。そしてプログラムのインタビューのなかで、「マーラーの交響曲第4番は軽くてシンプルで、がなり立てるところが一番少ない作品だと思います」「私ぐらいの歳の指揮者は、ブルックナーに関わり合うことが多くなります。特に気に入っているのが第7番です」と語っている(インタビュー 下田季美子)。
 ペライアの緻密でまろやかで内省的なモーツァルトと、ハイティンクの円熟した実直なタクトによるマーラー。交響曲第4番は非常に長い作品ゆえ、終演は21時をはるかに回っていたが、ほとんどの聴衆が偉大なる指揮者を称え、何度も何度もステージに呼び出していた。
 この日はツアーの初日。今後、30日(ミューザ川崎シンフォニーホール)、10月1日(NHKホール)、3日(京都コンサートホール)、5日(東京文化会館)他が組まれている。
| クラシックを愛す | 22:53 | - | -
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