Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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浜松国際ピアノコンクール
 昨夜、第9回浜松国際ピアノコンクールの審査発表があった。
 イタリア出身の20歳のアレクサンデル・ガジェヴが優勝の栄冠に輝き、聴衆賞も併せて受賞した。第2位はウクライナのロマーン・ロパティンスキー。
 今回は審査発表までかなりの時間を要し、何度も投票をやり直したそうで、第3位が3人という結果となった。ロシアのアレクセイ・メリニコフ、アメリカのダニエル・シュー、ギリシャ/ベネズエラのアレクシーア・ムーサである。第4位と室内楽賞はルーマニアのフロリアン・ミトレアが受賞。なお、第5位と第6位はなしという結果となった。
 日本人作品最優秀演奏賞はロシアのイーゴリ・アンドレエフ、奨励賞は日本の三浦謙司が受賞した。
 私が聴いたのは、本選の2日間だったが、6人とも実力が伯仲し、これは審査が困難だろうなと思わせた。案の定、本選1日目の審査員の記者会見では、各人が今回の参加者のレヴェルの高さについて言及し、審査の難しさが語られた。
 審査発表の段階でも、海老彰子審査委員長が、「今回は非常にレヴェルが高く、特に本選の6人は上手すぎました」と話し、会場からは笑いがこぼれた。
 それでも、順位はつけなければならず、結果が判明すると、参加者たちのそれぞれの顔には複雑な表情が見てとれた。
 長年、国際コンクールの取材は続けているが、この審査発表のときはいつも私自身も複雑な思いに駆られる。優勝者の笑顔は見ていて喜ばしいものだが、あとの人たちは、みな胸の奥で感情を押し殺している。
 こうした僅差の結果の場合は、なおさらである。
 今回は、本選出場者が、全員ラフマニノフ、プロコフィエフ、チャイコフスキーのピアノ協奏曲を選んだ。これも複雑な思いがよぎる。モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、ショパンなどの課題曲を選んだ人もいたが、本選には残れなかった。こういう情感豊かなコンチェルトを聴いてみたかったのだが…。
 今回は、第2次予選に委嘱作品が2曲課題曲として出されたが、これを暗譜で演奏することに対しても、今後の課題となったようだ。
 コンクールは、開催されるごとにいろんな問題が提起され、それらをひとつひとつ関係者が話し合いで解決していく。世界中のコンクールが、それぞれ問題を抱え、試行錯誤を繰り返している状態だ。
 さて、浜松国際ピアノコンクールは無事に終了し、あとは明日の東京文化会館小ホールにおける入賞者披露演奏会(ガラコンサート)を残すのみとなった。
 明日は各人のソロを聴くことができる。
 先日、前回の優勝者イリヤ・ラシュコフスキーにインタビューした際、「浜松が終わってから、演奏の場が一気に増え、とても忙しくなった。もっとレパートリーを増やして勉強しなくちゃ」と、真摯な表情で語っていたが、まさに「コンクールはスタート台」である。
 今回の優勝者、入賞者たちも、今後の活躍如何で道は大きく分かれる。彼らの今後を見守りたいと思う。 
 今日の写真は、授賞式の様子と優勝者のアレクサンデル・ガジェヴ。




 
 
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