Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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カルロ・マリア・ジュリーニ
 そのアーティストの音楽性にも人間性にも強く惹かれ、ぜひ実際に会って話を聞きたいと願ったが、どうしてもインタビューの機会がもてなかったという人が何人かいる。
 機会あるごとにインタビューの希望を出していたのだがかなわず、残念ながら亡くなってしまったという人である。
 イタリアの名指揮者、カルロ・マリア・ジュリーニはその筆頭だ。
 ジュリーニの音楽に命を捧げているような真摯、純粋、高貴、謙虚、高潔な音楽作りは、聴くたびに心打たれ、ぜひ一度会いたいと思った。
 しかし、ジュリーニはある時期から病気の夫人のそばを離れたくないという気持ちから、あまり海外での演奏を行わなくなった。
 日本でも聴く機会がなくなり、私はあるイタリア在住の知人に、マエストロの自宅にいって話を聞くというチャンスをもらえるかもしれないといわれたが、結局それもかなわなかった。
 ジュリーニは1998年に引退を表明し、2005年に91歳で亡くなっている。
 本当に、かえすがえすも残念である。一度も会うことができなかったからである。
 いまとなっては、残された録音を繰り返し聴くしかない。
 そんなジュリーニの壮年期、1971年にシカゴ交響楽団と録音したベートーヴェンの交響曲第7番がリマスター音源、SACDハイブリットとして蘇った(ワーナー 12月21日発売)。
 ジュリーニは1969年から73年にかけてシカゴ交響楽団の首席客演指揮者を務めている。当時、56歳。躍動感と生き生きとした新鮮な空気をただよわせ、シカゴ響を自由にうたわせ、ベートーヴェンの魂に寄り添うような演奏を聴かせている。
 私はベートーヴェンのピアノ・ソナタやピアノ協奏曲における緩徐楽章(第2楽章)の、えもいわれぬロマンあふれる抒情的な曲想に心が奪われているのだが、この緩徐楽章もみずみずしい演奏で、こよなく美しい。
 これは初演時に拍手が鳴りやまず、アンコールで演奏されたといわれる楽章。ワーグナーが「不滅のアレグレット」「舞踏の聖化」と評したように、ベートーヴェンのロマンティシズムがあふれた傑作である。
 ジュリーニの音楽は、いまなお私の胸に熱き感動を呼び起こしてくれる。こういう指揮者はなかなかいない。
 今日の写真は、CDのジャケット。若きジュリーニの雄姿である。


 
 
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