Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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「タンホイザー」初日
 昨日、15時からNHKホールでバイエルン国立歌劇場2017のワーグナー「タンホイザー」が幕を開けた。
 今回、初来日のキリル・ペトレンコの指揮は想像をはるかに超えたすばらしさで、まず、序曲からオーケストラの緻密な表現に驚かされた。
 これまで何度もこのオーケストラの演奏は聴いてきたが、指揮者が変わるとこんなにも演奏が変貌するものかと、まさにペトレンコの魔力にかかった感じだった。
 もちろん、歌手陣も全員がオーケストラと一体化し、もてる最大限の実力を発揮、くわえて合唱が底力を発揮した。
 ペトレンコは合唱指揮者にすべて任せることはせず、自分でできる限りのリハーサルを行ったそうだ。
 先日の記者会見で、彼は「リハーサルがすべて」と語っていた。来日してからずっと時間をかけてきびしいリハーサルを行っていたというが、その成果は、本番のステージで見事な大輪の花を咲かせた。
 この公演評は、「公明新聞」に書く予定にしている。
 オペラは長丁場である。しかし、第1幕75分、休憩40分、第2幕70分、休憩40分、第3幕60分という長時間の舞台でも、演奏は一瞬たりとも弛緩することなく、緊迫感と集中力に満ち、会場も水を打ったような静けさに終始した。
 今日の写真は、記者会見での主役の4人。
 タンホイザーのクラウス・フロリアン・フォークト。2017年のバイエルン国立歌劇場での新演出の「タンホイザー」は、大成功のロール・デビューとなった。フォークトは、後半になるにつれて声がどんどん出てくるようになり、圧倒的な存在感を示した。



 エリーザベトのアンネッテ・ダッシュ。舞台映えする美しい容姿と、華麗で清涼で情感あふれる歌声が役柄にピッタリ。



 ヴェーヌスのエレーナ・パンクラトヴァ。ワーグナーにはなくてはならない、強靭でのびやかな歌声の持ち主。



 ヴォルフラムのマティアス・ゲルネ。彼のやわらかく叙情的で、しかも浸透力の強いバリトンは「特別な声」である。一番の聴かせどころ「夕星の歌」も、けっして力を入れすぎず、自然でテキストに忠実な歌唱だった。



 一日たったいまも、私の脳裏にはペトレンコの力量に圧倒された序曲の美しいテーマと、「夕星の歌」の旋律がずっと居座っている。
 
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