Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

ブログ

| main | ドヴォルザーク >>
樫本大進
 ヴァイオリニストの樫本大進がベルリン・フィルのコンサートマスターに内定したのは、2009年夏のこと。その年の9月から実際にオーケストラに入って演奏を開始し、事実上の試用期間に入った。
 当時、彼は非常に緊張した雰囲気をただよわせ、「一応2年間という試用期間は、自分にとってとてもシビアなものになる」と語っていた。
 しかし、2010年12月、2年を待たずにコンサートマスターに就任。これはベルリン・フィルのメンバー、音楽監督のサイモン・ラトル、関係者から全幅の信頼を勝ち得たことを意味する。
 思えば、大進にはデビュー当初から取材やインタビューを行い、ボストンでの海外録音にも立ち会い、さまざまな演奏を聴き続けてきた。彼はどんなに大変なことに遭遇しても決してあきらめず、いつも笑顔で乗り切ってきた。おおらかで自然体で結構太っ腹(からだのサイズではありません〈笑〉)。
 そんな大進が盟友のピアニスト、コンスタンチン・リフシッツと組んでベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏に取り組んでいる。その第1回が2010年12月に日本各地で行われ、私は12月19日紀尾井ホールでの演奏を聴きに行った。以前から大進の弦は豊かにのびやかに歌うが、ベルリン・フィルに入って緻密さと構成力、説得力が増した。一方、リフシッツは天才性あふれるピアニスト。ヴァイオリンをしっかり支えながらも、自身の音楽を存分に発揮する。
 個性の異なる両者の丁々発止の音の対話は実におもしろく、ベートーヴェンを深く愛する二人の熱意が伝わってきた。
 終演後、「コンサートマスターに決まって本当によかったね。私もようやく心が落ち着いた感じ」と声をかけると、「うん、本当に安心した。でも、これからが本格的なスタートになる。気を引き締めて行かなくちゃ」といいながらも満面の笑顔。写真はその楽屋での1枚。
 大進、頑張れ! あなたの前には大海原が広がっている。
| アーティスト・クローズアップ | 17:23 | - | -
CALENDAR
S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< June 2017 >>
CATEGORIES
ARCHIVES
LINKS
PROFILE