Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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加古隆
 先日、長年音楽大学ピアノ科の講師を務め、現在も多くの弟子を世に送り出しているKさんと、乃木坂でランチをご一緒した。
 昨秋のショパン・コンクールでも一緒になり、ともにインゴルフ・ヴンダーを応援したことから、音楽的な志向がとても合う。彼女は子どものころに父親が聴かせてくれたレコードでクラシック音楽の深遠な世界に目覚めたそうだが、私もまったく同様なため、その話で盛り上がった。
 おいしいフレンチをいただきながら音楽談義に花を咲かせていたら、あっというまに3時間が経過していた。
 そのときに思い出したのが、加古隆の父親の話である。自然と海が大好きだった父親は、幼い加古隆を瀬戸内海の船旅へと連れて行ってくれたのだが、そこで見た夕日が忘れられない思い出として残っているという。
 いまでも疲れたときや辛いときにはこのときの海に沈むものすごく大きな黄金色の夕日を思い出すと、自然にエネルギーが湧いてくるそうだ。
「これが私の原体験なんです。光の輝きが音の響きとつながっているように感じられるのです」
 加古隆はこういって、「子ども時代の深い感動が、その人の生涯の糧となることがあります」と続けた。このインタビューは「ムジカノーヴァ」の2010年11月号に掲載されている。
 このように、音楽家に話を聞くと、ほとんどの人が子どものころに両親をはじめとする家族や親戚の人から音楽を聴くチャンスを与えられ、それが将来の道につながったと語る。
 Kさんとの話のなかでも、親の役割の大切さや、また先生の大切さも話題となった。彼女は機会あるごとに海外に出かけ、著名なピアニストの講習会に参加したり、弟子とともに聴講したり、ものすごくエネルギッシュで前向き。私も将来、こういう人間になりたいと強く感じた。
 いろんな人に会うと、その人から生きる力を与えられることが多い。加古隆の話もKさんの話も、ともに音楽をベースにポジティブに人生を歩むもので、改めて音楽の力の強さを思い知らされた。
 今日の写真はおだやかな語り口の加古隆が、夕日のすばらしさを表現するときに一気にテンションを上げたときの様子。あまりにも詳細にその夕日の見事さを話してくれるため、私の目の前に大きな光が現れたような錯覚を覚えた。作曲家は音だけではなく、言葉でも感動をリアルに伝えられるものなのだと実感…。


 
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