Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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松田理奈
 現在、日本とドイツで演奏活動を行い、ニュルンベルク音楽大学で教授アシスタントを務めているヴァイオリニストの松田理奈は、16歳のときにトッパンホールのデビュー・シリーズでイザイの「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ」の第2番と第4番を演奏し、10年後にこの作品の全曲演奏をしたいと夢見るようになった。
 それが26歳になる1年前に実現、昨年全曲録音を完成させた(ビクター)。
 彼女は自他共に認める「直感人間」。演奏も瞬間のひらめきに満ちたもので、自身が楽譜から読み取ったものをそのままストレートに表現。自然で前向きで迷いがない。
 だが、留学先のニュルンベルク音楽大学で師事したダニエル・ゲーデにこれまでの考えをくつがえされ、また、きびしいレッスンを課せられ、演奏が大きな変貌を遂げていく。
 そんな彼女が長年夢見てきたイザイの無伴奏作品に挑んだわけだが、あまりにも集中したため、「イザイやせ」をしたという。
 松田理奈は、そういう話をするときもおだやかな表情と柔和な語り口を失わないが、実は子どものころに学校で大変な「いじめ」に遭っている。
 その辛さから救ってくれたのがヴァイオリンであり、モーツァルトのヴァイオリン・ソナタだったそうだ。
 いまは自分が経験したことを生かし、同じ悩みを抱えている子どもたちに何かできないかと考慮中。まずは、そうした子どもたちに楽器を送ることを実践したいと語る。
 このインタビューは「日経新聞」の2010年12月16日夕刊に掲載され、またCDのライナーノーツも書いた。

 今日の写真は、「不思議な安心感を抱くことができる作品」というイザイの楽譜と一緒にパチリ。
 音楽は苦難にあるとき、ストレスを抱えたとき、悲しみの淵に沈むときなど、さまざまな場で人々の救いとなるものである。松田理奈がモーツァルトの作品に救われたように、このイザイを聴いた人が、少しでも前に進む力が湧いてくれることを願って…。

| アーティスト・クローズアップ | 21:08 | - | -
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