Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ギドン・クレーメル・トリオ
 先日のドミンゴに続き、今日もまた胸の奥があまりにも強い感動で痛くなるほどのコンサートを聴くことができた。
 ヴァイオリンのギドン・クレーメルと、リトアニア出身でクレメラータ・バルティカのメンバーとしても活躍しているチェロのギードゥレ・ディルバナウスカイテと、当初決まっていたピアノのカティア・ブニアティシヴィリに変わって急きょ来日を決意したヴァレリー・アファナシエフというメンバーによるトリオの夕べである。
 彼らは震災直後より福島原発の深刻な状況から、何度も「来日を断念せざるを得ないかもしれない」と日本側に伝えてきたそうだが、最終的にはこういうときこそこれまで培ってきた日本の人々との友情を大切に考え、人々を支えたい、手を貸したい、力になりたいと考え、来日を決意したという。
 そんな思いがステージでは静かに熱く燃える音楽となり、J.S.バッハの「シャコンヌ」も、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第3番も、ショスタコーヴィチのピアノ三重奏曲第2番も、心に突き刺さってくるほどの強靭な音楽として奏でられた。
 クレーメルの慟哭し、嗚咽し、心の叫びを吐露するようなヴァイオリンに硬質でクールで精神性の高いアファナシエフの完璧なるピアノが寄り添い、このふたりの鬼才に若々しく真摯なディルバナウスカイテのチェロが和すと、えもいわれぬ味わい深いトリオが生まれる。
 彼らはプログラムに日本の人々へのメッセージを寄せたが、ステージではことばは用いず、音楽だけで深い思いを伝えた。
 海外では、日本の深刻な状況が日々報道され、衝撃的な映像も流されているという。各国の政府が渡航自粛勧告をしており、家族や周囲の人々も心配のあまり日本に行って演奏することに強い反対をしているという。
 そんな状況のなか、来日を決意してくれた彼らには、感謝の気持ちでいっぱいだ。音楽は幾多のことばよりも雄弁に気持ちを伝えてくれた。
 ギドン、ギードゥレ、そしてヴァレリー、あなたたちの心豊かな優しい気持ち、熱き友情は決して忘れません!!
 
 
| クラシックを愛す | 23:38 | - | -
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