Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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マルタ・アルゲリッチ
 第13回「別府アルゲリッチ音楽祭」が5月8日から19日まで大分県の各地を舞台に開かれたが、今回は特にアルゲリッチの強い希望で開催が実行に移された。
 アルゲリッチは東日本大震災に非常に胸を痛めており、さまざまな支援を行っている。5月3日には昨年シューマンとショパンの生誕200年を記念した彼女のピアノ協奏曲のコンサート(すみだトリフォニーホール、アルミンク指揮新日本フィル)のライヴCD(KAJIMOTO)が急きょリリースされ、チャリティCDとして発売された。
 これは震災で被災した後、早期復旧した(株)オプトロムの仙台の工場でプレスされたものである。
 今回の「別府アルゲリッチ音楽祭」の公演もライヴ収録され、2011年秋以降に発売される予定となっている。もちろんこれも復興支援CDである。 
 その音楽祭の最終日にあたる、19日の「チェンバーオーケストラ・コンサート」を聴きに別府に出かけた。
 この夜は、ユーリー・バシュメット指揮モスクワ・ソロイスツ合奏団選抜メンバー&桐朋学園オーケストラとの共演により、アルゲリッチのソロでショパンのピアノ協奏曲第1番(弦楽合奏版)が演奏された。
 アルゲリッチの演奏するこのコンチェルトは何度か聴いているが、今回も冒頭から疾走するような情熱的で躍動感あふれるアルゲリッチならではのすばらしいショパンが会場を満たし、聴衆の心を釘付けに。
 ただし、この夜の白眉は緩徐楽章のポエティックで繊細な美に貫かれた情感あふれるピアニズム。炎のように舞い上がる第1楽章と第3楽章の間で美しい花を咲かせ、その芳醇な香りに酔ってしまいそうだった。
 コンサート終了後、6月5日のアルゲリッチの誕生日に先駆けて聴衆が「ハッピー・バースデイ」の合唱を始め、次第に大合唱となり、アルゲリッチは何度もステージに呼び出され、感極まった表情でおじぎを繰り返した。
 その後、アルゲリッチを囲んで音楽祭関係者の懇親会が深夜まで行われ、そこにも参加させていただいた。
 アルゲリッチはここでスピーチを行った。
「とてもとても深く、そして愛に満ちた美しいひとときを過ごすことができました。心からの感謝にたえません。私自身、みなさまとともにこの別府をミーティングポイントとする大きな輪のなかのひとりでいられることをこの上なく幸せに感じています。
 広瀬知事をはじめ、多くのサポーター、そしてスタッフのみなさん、さらには杉乃井ホテルのかたがたまで、ここで名前をすべてあげることはできませんが、すべてのかたがたに本当にThank Youといわせてください。この町のみなさんが私に示してくださる深い愛にも本当にありがとうと。
 参加した音楽家のみなさんも今宵新たなる美をここに加えてくれました。ありがとう。
 スペシャルな夜です。本当にスペシャルなひとときを過ごすことができました。ありがとう、心からありがとうといわせてください」
 その後、サプライズとして用意されたバースディケーキが運ばれてきたが、そのケーキの見事なことといったら。真っ白なイチゴのショートケーキの上に、マジパンでピアノとアルゲリッチ、両親、娘さんたちが飾られているのだ。アルゲリッチはこれをひと目見て、喜ぶよりもあまりのすごさに目を見張って呆然。その瞬間を撮ったのだが、今日の写真はちょっとピンボケ気味。ああ、残念…。
 ケーキも写したから、それも見てほしい。
 アルゲリッチのショパンの演奏は、いまだ脳裏に深く焼き付いている。いまは「マルタ・アルゲリッチ 子供と魔法」(オリヴィエ・ベラミー著 音楽之友社)の本も読んでいる最中。アルゲリッチに包まれている日々だ。



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