Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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三浦文彰
 アーティストのデビューCDのライナーノーツを書くのは、とても名誉なことであり、楽しみでもある。その人の門出に立ち会えるからだ。
 2009年、難関といわれるハノーファー国際コンクールで史上最年少の16歳で優勝の栄冠を手にした三浦文彰のデビュー・アルバム「プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第1番&第2番」(ソニー・ミュージックダイレクト/ミューズエンターテインメント)も、ライナーを書いたが、それがつい先ごろリリースされた。
 これは彼が「自分の心にもっとも近い作曲家」だと感じているプロコフィエフのソナタをイタマール・ゴランとの共演で収録したもの。ゴランは世界の名だたるヴァイオリニストと共演を重ねている名手で、ひとりひとりの共演者の特徴を即座につかみ、アグレッシヴな演奏でソリストを盛り上げていく。
 ゴランのピアノを初めて聴いたのは、もうずいぶん前のこと。マキシム・ヴェンゲーロフとのデュオだったが、それはまさに嵐のようなはげしさで、若いふたりの音楽が疾風怒濤のように吹きぬけていったのを覚えている。
 三浦文彰とゴランも録音前にプロコフィエフでリサイタルを行い、それを聴きにいったが、このふたりも炎のような熱く劇的で情熱的なデュオを繰り広げた。さぞ、録音は熱くなるだろうと胸が高鳴ったものだ。
 ここに聴くプロコフィエフは、第1番は作曲当時の時代背景が音から浮かび上がるよう。一方、第2番は物語が音で綴られていく。
 三浦文彰はインタビューで作品との出合い、各楽章の解釈、ゴランとのコラボレーションなどに関して雄弁に語った。これは「CDジャーナル」のいま発売されている6月号に掲載されている。
 三浦文彰は現在ウィーンでパヴェル・ヴェルニコフに師事しているが、ジュリアン・ラクリンをはじめとする音楽家と交流し、仲間と遊びのサッカーを楽しんでいるという。
「ポジションなんか別に決めずに、自由に走り回っているんです。一緒に遊んだり、食べたり飲んだり、話し込んだり。ウィーンという町にいることがとても有意義で、人生が豊かになる感じがします」
 こう語る彼は、明るく素直で、人に好かれる性格。先輩の音楽家たちがこぞって力を貸そうとしてくれる。コンサートも次々にこなし、めきめき実力をつけている。たのもしい限りだ。
 来年6月には、クレーメル、テツラフ、シフ、バシュメット、イッサーリスらが若手音楽家を育てるために開催している音楽祭にも招かれているという。正統派のみずみずしい弦の調べに、世界が喝采を送る日が近づいている。日本で次に聴くことができるのは、7月5日(名古屋・しらかわホール)、7月6日(大阪・ザ・シンフォニーホール)、7月8日(東京オペラシティコンサートホール)。もちろん共演者はイタマール・ゴランだ。

 今日の写真はインタビュー後のワンショット。手にあごを乗せるのが一番好きなポーズとか。これ、ものすごくいい表情しているでしょう。ファンはたまらないかも…。
 
| アーティスト・クローズアップ | 23:57 | - | -
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