Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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青柳晋
 ピアニストの青柳晋とは、もうずいぶん長いおつきあいになる。彼は端正な顔立ちゆえ、性格もおだやかで上品で落ち着きに満ちているのかなと思いきや、実は大変な冒険好き。
 幼いころから欧米各地で過ごし、転校を繰り返してきたためか、どんなところでもどんな人とでもスッとなじめる特質を備えている。
「北欧のマスタークラスに参加したときもまわりはみな欧米人ばかりで、たったひとりの日本人でした。でも、それか実に気持ちよくて、自由を満喫しました」
 このときは勉強の合間に湖にボートで漕ぎ出し、人っ子ひとりいない鏡のような水面をひたすらオールを動かしているうちに奥深いところまで行ってしまったという。もしもそこで何かあったら、だれにも助けてもらえないのに…。
「まあ、無事に戻ってきたからよかったですけどね。一時は何も音のしない、だれもいないシーンとした水の上で、どうやって帰ろうかと途方にくれましたよ(笑)」
 留学時代にも壁にぶつかり、突然思い立って空港に行き、トルコまで飛んで行ったこともある。
「ピアノ音楽と関係ないところに行きたかったんです。後先考えずに乗ってしまいましたね」
 そんな青柳晋はジョン・フィールドの「ノクターン集」(KTR records)の録音が縁でアイルランドまで行って演奏する機会を得、その後ショパンの「ノクターン選集」の録音が高い評価を得た。
 そしてリスト・イヤーの今年、6月14日には王子ホールでフィールド、ショパン、リストのノクターンを含むリサイタルを行う。リストに関しては、「リストのいる部屋」と題したコンサートを続けているが、より気楽にクラシックを楽しめるプログラムをと考え、3人の作曲家の名曲を集めている。
「リストのノクターンは演奏される機会があまりない曲ですが、とても楽しい曲想を持っているので、楽しんで聴いていただけると思います」
 このリストに関するインタビューは、「ムジカノーヴァ」の現在発売されている6月号に掲載されている。
 青柳晋は東京芸術大学で教鞭を執っているが、そこには自転車通勤をしているそうだ。ジムにも通ってからだを鍛えることもしている。すべてはピアノを自然体で弾くことができるようにとの考えからだ。
 そして何より興味深いのは、「映画やテレビに俳優として参加したい」という夢を抱いていること。もちろん主役や重要な役ではなく、本人いわく「チョイ役」で満足とのこと。
 どなたか、彼に芝居の出演依頼をしてくれませんか。どんな役でもいいそうですよ。汚れ役でも、アブナイ役でも、通りすがりの役でも。
 今後はアフリカの草原の小高い山から鉄線のロープで滑り降りる冒険などにもチャレンジしたいとか。
 こんなユニークなピアニストが演奏する「ノクターン」、おもしろくないわけがない。ぜひ耳を傾けてほしい。

 今日の写真はインタビュー後のリラックスした表情。ねっ、これだけでなんだか俳優っぽい雰囲気がただよっているでしょ。

| 親しき友との語らい | 22:05 | - | -
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