Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ジョルジュ・プルーデルマッハー
 ピアニストで、演奏のみならず作曲や編曲をこなす人は多いが、フランスのヴィルトゥオーソとして知られるジョルジュ・プルーデルマッハーもそのひとりである。
 彼は現代音楽にも造詣が深く、ジャズも演奏。ただし、録音ではベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲、「ディアベリ変奏曲」などで評価が高く、2003年にはラヴェルのピアノ作品集のライヴ録音も完成させている。
 そのプルーデルマッハーが4月に来日し、シューベルト、ベートーヴェン、ドビュッシーの作品と、自身が編曲したストラヴィンスキーの「春の祭典」を披露した。そのリサイタルの前日にインタビュー、さまざまな作曲家の作品に潜むテクニカルな面をどう読み解くかについて、明快かつこまやかで具体的な話をしてくれた(インタビューは次号の「intoxicate」に掲載される予定)。
「私はいろんな作曲家の作品と対峙するとき、まずその本人がどんなテクニックを用いてピアノを弾いていたか、それをどう作品に表したか、その時代の楽器をどう扱ったか、現代の私たちがそれをどう理解するかをじっくりと考えていきます。楽譜を深く読むのはもちろんですが、伝記や残された資料や手紙、弟子たちの文章、時代背景、作曲家が置かれた環境なども丹念に調べ、肖像画に描かれた姿勢や手のポジションを見ることも重要だと思っています。そうした多くの要素が実際に演奏するときに非常に有益になるからです」
 プルーデルマッハーは、手のポジションや楽器に向かう姿勢、ペダルなどに関してかなりこまかく話をしてくれた。
 実は、彼はベートーヴェンの録音で第4のペダル、ハーモニック・ペダルというものを使用している。これは既存のピアノに新たに装着し、2段階に踏むことができ、半踏みの状態で踏むとここちよい共鳴を得ることができるという。要は音の保持装置のような役割を果たしているわけだが、説明がとても難しく、プルーデルマッハーも図版をもとに解説してくれた。
 現在は、中国のピアノ・メーカーがこのペダル付きの楽器の製造に着手しているそうだ。
 プルーデルマッハーのリサイタルも、ひとつひとつの響きを非常に大切にするもので、とりわけ「春の祭典」では和声的な響きを重視、即興的な奏法も加え、大作を愉悦の表情をもって弾き進めた。話術も演奏もすこぶる雄弁、マスタークラスの人気が高いのもうなずけた。

 今日の写真は、インタビュー時にテクニックや奏法をからだ全体で表現しながら話すプルーデルマッハー。「私はピアノという楽器を用いて新たな芸術を生み出したいんだよね」と語っていたのが印象的だった。
 
| アーティスト・クローズアップ | 22:26 | - | -
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