Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

ブログ

<< なでしこジャパン | main | クラシック界の今後 >>
ピアノデュオ・クトロヴァッツ
 兄のヨハネス、弟のエドワードのピアノデュオ・クトロヴァッツは、リストの生誕地、オーストリアのブルゲンランド州のライディングからすぐそばの小さな村で生まれた。
 彼らはそれぞれソリストを目指してピアノを勉強していたが、ウィーン国立音楽大学で師事したプライゼンハマー女史に「兄弟ふたりでデュオをやるのもいいんじゃない」と勧められ、これがきっかけとなってピアノデュオを結成。1986年にイタリアのストレサ国際コンクール(ピアノデュオ部門)で第1位を獲得、以来、世界中で4手連弾や2台ピアノの演奏を行い、高い評価を得ている。
「兄弟だからといって、いつもうまくいくとは限らないんだよ。最初のころはどちらがリードするかでずいぶんもめたものですよ」
 こういうのは兄のヨハネス。
「でもね、徐々に自分の役割が見えてきて、曲によってリードする側を決めるようになったんです」
 と、弟のエドワードが続ける。
 彼らはいまや仕事の分担もはっきりし、ヨハネスはすべての仕事のオーガナイズを一手に引き受け、エドワードはこれをしっかりサポートし、演奏面では即興を得意としてそれを前面に出していくそうだ。
 ピアノデュオ・クトロヴァッツは、この分野の演奏の楽しさを目いっぱい堪能させてくれる。ふたりはまさにエンターテイナー。動きもはげしく、クライマックスに向けて一気に加速し、最後は両手を掲げてフィニッシュ。まるで踊っているようだ。
「今年のリスト・イヤーにはいろんなところでリストの作品を演奏します。子どものころからごく身近に存在した作曲家ですからね。リスト音楽祭も行っていますし、日本でも11月にツアーを行ってリストを中心にいろんな作品を弾きますよ。ぜひ楽しみにいらしてください」
 このインタビューは、「ムジカノーヴァ」の現在発売されている号に掲載されている。
 今年は震災で中止となったが、ヨハネスは毎夏開催される山中湖国際音楽祭の音楽監督を務めている。ともにウィーン国立音楽大学の教授も務め、多くの弟子を持つ。
「ピアノデュオは民主的な考えではうまくいきません。リーダーをはっきりさせ、もうひとりはそれに合わせる。曲によってそれを変えればいいのです。日本の生徒は割におとなしくて、相手に遠慮したり、自分を押し殺したりする人が多いようですが、リードする立場になったら自由に自分の演奏を発揮し、支える人はそれを全面的にバックアップしていく。徹することが大切です。音楽に遠慮や気遣いは無用です。だってそんな気を遣った演奏、聴いていてだれも楽しくないでしょ。感情爆発、自由自在、大いに楽しむ。ピアノデュオはこれですよ(笑)」
 まさに彼らのデュオは、聴き手の心も解放、喜びをバクハツさせてくれる。今日の写真はそんな話で盛り上がるふたり(左が弟のエドワード、右が兄のヨハネス)。性格が異なり、演奏も異なるように、容姿も異なる。これが個性なんですね。

| アーティスト・クローズアップ | 22:51 | - | -
CALENDAR
S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< September 2017 >>
CATEGORIES
ARCHIVES
LINKS
PROFILE