Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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マルセロ・アルバレス
 今月来日するボローニャ歌劇場の「カルメン」でドン・ホセを歌う予定だったヨナス・カウフマンの来日がキャンセルとなり、代役としてマルセロ・アルバレスが決まった。
 アルバレスは何度もその歌声を聴いているが、常に全力投球型。演技もすばらしく、最近はどっしりとした体型になり、声も以前とくらべると深みと重みが増してきた。
 アルバレスに最初にインタビューをしたのは2000年の春。このときはガルデルのタンゴを歌うために来日した。「インタビュー・アーカイヴ」の第24回はそのアルバレスの登場。

[テレパル 2000年7月15日〜7月30日 .15]

歌声でも、人柄でも魅せる大注目のテノール、アルバレス 

 いま、3大テノールに続く新しい才能として世界のオペラハウスが熱い視線を注いでいるのが、アルゼンチン出身のテノール歌手、マルセロ・アルバレスである。その彼が、アルゼンチンが世界に誇る歌謡タンゴの確立者、カルロス・ガルデルの歌を録音した(ソニー)。
 バックを務めるのはピアソラと共演していたマルコーニやスアレス・パスらの現代屈指のタンギストたち。そのメンバーとともに来日し、スタジオで演奏を行った模様が放送されることになった。あわせて、アルバレスやアルゼンチンの人々のガルデルへの思いを綴ったドキュメンタリーも登場する(NHK)。
 アルバレスは最初タンゴを歌うことに抵抗があったそうだが、録音が進むうちにガルデルの偉大さに目覚め、最後は人生のなかでひとつの大きな仕事を成し遂げた気持ちになったという。
「アルゼンチンではガルデルはいまだに天使とか神のように思われている存在。それを歌うんだからね。大変なプレッシャーだった。大きな声で旋律の流れを重視しながら歌うオペラと違って、タンゴは語りかけるように歌わなければならない。マイクを使って小さな声で歌えといわれても最初はとまどうばかり。
 映像も同時進行で、ガルデルを知っていた人や研究者などにインタビューしたんだけど、それが人間ガルデルを知る大きな手がかりとなった」
 アルバレスは1962年生まれ。アルゼンチンで家具工場を経営していたが、30歳のときに歌手になりたいと思い立ち、本格的な勉強を開始。1995年にイタリアのコンクールで優勝し、その年の秋にデビューしてセンセーションを巻き起こしたという異色の経歴の持ち主だ。
「私はキャリアが始まったのが人より遅い。でも、焦らずに声の成長に合わせてゆっくりとレパートリーを広げていくつもり。歌う喜びをかみしめながらね。
 いまは暗いことが多い世の中だけど、私の歌を聴いてくれた人が一瞬でも喜びが味わえるような、そんな歌を歌いたい。今回、ガルデルの歌と人間性を知って、その思いを強くした」
 アルバレスは、完全に手の内に入るまで新しい役は歌わない主義。自分の唯一の美徳は「努力家であること」という彼は、いま世界の頂点を目指してマイペースで歩みを進めている。

 今日の写真はそのときの雑誌の一部。アルバレスは大変な苦労と努力をして歌手としてのキャリアを得ただけあって、性格がすばらしい。会った人がみなファンになってしまうような、温かく広い心の持ち主。このときのインタビュー後、破竹の勢いで各地のオペラハウスを席捲、とりわけフランスでは評価が高い。
 今回のドン・ホセも当たり役として知られる。舞台が楽しみだ。



| インタビュー・アーカイヴ | 23:28 | - | -
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