Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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アロンドラ・デ・ラ・パーラ
 昨日は、すばらしい女性指揮者と出会った。メキシコ人のアロンドラ・デ・ラ・パーラである。
 アロンドラは1980年ニューヨーク生まれ。2歳のときに両親とともにメキシコに移り住んだ。最初はピアノとチェロを習っていたが、13歳のときに指揮者になりたいと思い、各地で勉強を重ね、23歳でフィルハーモニック・オーケストラ・オブ・ジ・アメリカスを創設。以後、南北アメリカの若手演奏家や作曲家の紹介をこのオーケストラとともに行っている。
 今回の来日は9月13、14日にジャパン・ヴィルトゥオーゾ・シンフォニー・オーケストラを指揮するため(サントリーホール)。それに先駆け、インタビューに応じてくれた。このインタビューは次号の「フィガロ・ジャポン」に掲載される予定になっている。
 アロンドラは女優のような美貌と、音楽的な才能と、前向きな精神を持った人。その話は明快で率直で常に前進あるのみという姿勢を崩さない。
「子どものころから、こうと決めたら一直線に進む性格でした。指揮者になりたいと思い立ってからは、どんな困難にぶつかろうが、絶対にやり遂げようと努力を重ねました。いつも大きな壁が目の前に立ちはだかっていて、それはいまも変わらないけど、ひとつひとつ乗り越えていくしかないですよね」
 澄んだ美しい瞳をきらきらと輝かせながら、彼女は芯の強いところを見せる。そして男性の多い指揮者の世界に関しては。
「ステージに立って指揮を始めたら、男か女かということはいっさい関係ない」
 と、きっぱり。いやー、潔いですなあ。惚れ惚れしちゃいます(笑)。
 アロンドラは音楽に関しても、自らのオーケストラに関しても、その生い立ちに関しても、正直にストレートに話してくれる。こんなに美しいのに、それを鼻にかける雰囲気はまったくなし。とっても感じがいい。
「両親の存在なくしては、いまの私はないですね。母は教育者で、人生でもっとも大切なのは勤勉さだということを植え付けてくれ、小説家で映画関係の仕事もしている父は、どんどん夢を追いかけて進むことを教えてくれました」
 まさに、ふたりのDNAを受け継いでいるのだろう。彼女はひとつの作品を学ぶときも、とことん研究し、納得いくまで研鑽を重ね、膨大な時間をかけるという。新譜の「アロンドラ・デビュー!〜華麗なるメキシコ・オーケストラ作品集」(ソニー)の選曲も、ありとあらゆる手段を用いて作品を探し、楽譜を検討し、アーカイヴを巡り、さらにメキシコ文化の全体像をつかむような試みをしたそうだ。
「メキシコには偉大な文化、歴史、伝統があります。でも、世界中の人々はまだ表面的な面しか見てくれません。これから私はさまざまな土地で演奏を通してメキシコのすばらしさを伝えていくつもりです」
 現在、アロンドラはメキシコ観光省文化大使でもある。少し話を聞いただけで、メキシコの奥深さに触れる思いがし、こんなにも前向きで努力家で迷いのない生きかたをしている人がいるんだと気付かされ、メキシコの新たな面を発見することができた。きっと、各地で彼女に会った人はみな同様の思いを抱くに違いない。
 今日の写真はインタビュー後に撮ったもの。美しさと性格のよさと知性がすべてこの表情に表れていると思いませんか。ウーン、それにしても美しい…。




 
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