Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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菊地裕介
 ピアニストの菊地裕介は、歯に衣着せぬストレートな話かたをする人である。幼稚園のころからそれは始まり、友だちの間でも浮いていたとか。
 先日、インタビューで会った彼は、まさにこの性格全開。ただし、高校までは「浮いていた」が、ヨーロッパに留学してからは自己主張することがプラスになり、のびのびと過ごすことができたそうだ。こういう人は、やはり海外で勉強することが大きく成長することにつながり、人生観も変わるのだろう。
 彼は清水和音を尊敬していて、ふたりで録音も行っている。
「清水さんは、すごく男らしくて潔い。あこがれの存在です」
 彼は、清水和音の前に行くとあまりしゃべらず、おとなしく聞いているというので、つい私は大笑いしてしまった(失礼)。
 やはりあの年季の入った毒舌(またまた失礼)の域に達するには、まだまだ時間が必要だということだろうか。
 菊地裕介はジャック・ルヴィエとアリエ・ヴァルディに師事しているが、ルヴィエは非常にきびしいレッスンで、かっちりした演奏を好んだという。楽譜の読みもとてもこまかいものを要求されたそうだ。コンクールで優勝し、喜んで報告に行くと、「いい思い出ができたね。さあ、次も頑張ろう」といわれたという。
 一方、ヴァルディはステージに立つプロの演奏家としての心構えを伝授してくれた。「トップヴォイス」の大切さを説き、旋律の一番上のソプラノにあたる部分を意識し、よく通る声で歌わせる重要性を指摘した。
 このインタビューは、「ムジカノーヴァ」の来月発売号に掲載される予定になっている。
 よく、日本の演奏家はおとなしくて自己主張がたりないとか、自信がないとか、自分をアピールする力が弱いなどといわれるが、彼にはこのことばはあてはまらない。
 昔は結構生意気だと思われたようだが、最近は自分を大分抑えるようになったとか。でも、そういいながらも「いまは無用な衝突を避けているだけ。力を貯めておいて、いざとなったらしっかり主張する」といいきるあたり、うーん、なかなかたのもしいではないですか(笑)。
 演奏も個性的で自発性に富み、迷いがないから、きっともっともっと大きく羽ばたいてくれるでしょうね。
 ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲録音(オクタヴィア)でも底力を発揮しているから、期待大だ。
 今日の写真はインタビュー後の1枚。本当は「シェーっ」のポーズが好きだそうだが、それは全身が映らないと意味がないといって、Vサインになった。やっぱり、写真1枚でも自己主張がはっきりしているのね(笑)。


 
| アーティスト・クローズアップ | 23:34 | - | -
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