Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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萩原麻未
 今日は萩原麻未の本格的なデビュー・リサイタルを聴いてきた。彼女は以前にも書いたが、室内楽やコンチェルトが好きで、リサイタルはなかなか実践されることはなかったが、ようやく聴くことができた。
 今日のプログラムは、今後は古典派をレパートリーにしていきたいという彼女の願いが詰まったハイドンのピアノ・ソナタニ長調Hob.X-33からスタート。クリアで健康的な音が小気味よく奏でられ、チェンバロ的な響きが随所に顔をのぞかせる。
 次いでベリオの「5つの変奏曲」。これはジュネーヴ国際コンクールの第2次予選で弾いた作品。音色の変化や変奏の妙を前面に出し、叙情的な雰囲気を醸しだしたかと思うと、次なる瞬間には電子音楽的な技法のコントラストを際立たせ、一瞬たりとも弛緩しない演奏が非常に印象的だった。
 前半の最後はラフマニノフの「コレルリの主題による変奏曲」。これもコンクールの第3次予選で演奏した作品。それゆえ、充分に弾き込み、手の内に入った演奏だった。とりわけ、イベリア半島の古い舞曲フォリアの旋律が浮き彫りになるところが美しかった。
 後半は、彼女が生涯弾き続けていきたいと語るシューマン。まず「アラベスク」で萩原麻未の特徴である個性的な「音」を存分に聴かせた。そして「謝肉祭」では舞踏会のさまざまな情景や登場人物を明快なタッチと創造性に富む音で表現。音のダイナミズムも非常に幅広く、エネルギー全開。シューマンの初期の作品を若々しく生きた音楽として表現、限りない可能性を感じさせた。
 萩原麻未は来年2月に行われる「東芝グランドコンサート2012」で、フランソワ=グザヴィエ・ロト指揮南西ドイツ放送交響楽団バーデン=バーデン&フライブルクと共演し、ラヴェルのピアノ協奏曲を演奏する予定になっている。このコンチェルトこそ、コンクールの本選で演奏し、彼女が大好きだという作品である。
 先日、このプログラムの記事用のインタビューを行ったが、彼女はラヴェルのコンチェルトの第2楽章のイングリッシュホルンとの掛け合いのところにもっとも魅了されるそうだ。イングリッシュホルンがあまりにも美しいため、自分の演奏をつい忘れてしまいがちだと笑っていた。
 今日の写真はそのインタビュー時の1枚。実は、「一番好きなポーズしてみて」といったら、人差指で鼻をクイッと押し上げ、笑いながらブタさんのポーズをした。するとマネージャー氏がすっ飛んできて、「ダメ、ダメ、そんな顔しちゃダメ。その写真が伊熊さんのブログに載ったら、大変なんだから」。「エーッ、ダメですかあ」と彼女はとっても残念そう。
 私は思わず吹き出しそうになったが、「まあ、無理でしょう。もっと自然な感じで行きましょう」というわけで、いつものおだやかな笑顔になったという次第。でも、萩原麻未って、いつ会ってもとってもユニーク。おなかがよじれそうになる。でも、今夜の演奏は、本当にすばらしかったですよ。来春のコンチェルトにも期待しています!!

| 親しき友との語らい | 23:20 | - | -
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