Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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アストル・ピアソラ
 ああ、ようやく締め切り地獄から這い出た感じだ。なんだか、まわりの空気が違って見える(笑)。
 実は、次号の「モーストリー・クラシック」はピアソラの特集ということで、以前ピアソラについてインタビューをしたギドン・クレーメルとヨーヨー・マの原稿を入稿したばかり。
 この原稿を書いていて、ピアソラに関して熱く語っていたクレーメルとヨーヨー・マの表情をなつかしく思い出した。
 彼らのピアソラの録音はいまでも大切に聴き続けているが、本当にピアソラの音楽に惚れ込んでいるのがわかる情熱的な演奏だ。

 アストル・ピアソラ(1921〜1992)が残した録音を聴くと、まずその鋭角的で明快なタッチに驚く。バンドネオンとは、こんなにもはげしい音を出す楽器だったのかと。
 現在は多くの実力派のバンドネオン奏者がいる。彼らの奏でるバンドネオンはノスタルジックで哀愁に満ち、情熱的で多彩な表情をもっている。
 ところが、ピアソラのバンドネオンはちょっと趣が異なる。実際にこの楽器で生涯戦っていた人特有のすさまじく思いの強い音なのである。
 ピアソラは新しいタンゴを創造し、踊りの音楽から純粋に聴いて楽しむタンゴを生み出した。「タンゴの破壊者」とか「タンゴの革命家」といわれ、保守派からさまざまな妨害を受けた。
 だが、ピアソラは屈しなかった。彼は生涯自分のタンゴを模索し、曲を書き続けた。
「私はクラシックの作品を書きたいんだよ」
 子どものころバンドネオンでバッハやモーツァルトを演奏し、作曲の勉強をしていたピアソラは、クラシックの作曲家になる夢を抱いていた。しかし、結局はタンゴに自分の道を見出す。
 クラシックの演奏家が彼の音楽に魅了されるのは、ピアソラの曲にクラシック的な要素が見え隠れしているからかもしれない。
 ピアソラは常に恋をし、音楽で戦い、10キロ近いバンドネオンで自己を主張した。音楽も人生も味が濃い。
| ああ愉しき(?)、締切り地獄 | 14:33 | - | -
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