Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ヤクブ・フルシャ&プラハ・フィル
 今日は大震災から1年。各地でさまざまなコンサートが行われ、音楽の力で人々を勇気づけようと、多くの演奏家が力を尽くした。
 私が聴いたのは1981年チェコ生まれの指揮者、ヤクブ・フルシャが音楽監督を務めるプラハ・フィルハーモニー管弦楽団のコンサート。フルシャはいま大きな注目を集めている指揮者で、昨年のグラモフォン誌において「巨匠となる可能性の高い10人の若手指揮者」のひとりに選ばれた逸材だ。
 2010年には「プラハの春」音楽祭の65周年記念のオープニングの指揮を任され、スメタナの「わが祖国」を振って国際的な注目を集めた。
 今日は、まず冒頭に被災地に対する思いを込めたフルシャのメッセージが語られ、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」の第2楽章が奏された。そして演奏後にはしばらく黙祷の時間が設けられた。
 プログラムはドヴォルザークの「セレナード」から開始、次いで三浦文彰のソロによるチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲が登場した。三浦文彰はウィーン留学からかなり時間が経過したためか、演奏は自信に満ちたもので、彼の特徴である流麗な美音と芯の強さを感じさせる前向きな演奏にはなおいっそう磨きがかかり、説得力が増した。
 後半はドヴォルザークの交響曲第8番。このオーケストラは正団員が50名で、95パーセントがチェコ人。室内楽的な響きを特徴としている。
 演奏は、まさにひとつひとつの楽器の音が明確に聴こえてくる緻密さと密度濃いアンサンブルが印象的で、弦はまろやかではつらつとし、管は深々とした味わいを醸し出し、音楽全体が健康的で斬新で明快だ。
 フルシャの指揮はエネルギッシュで躍動感にあふれ、しかも正統的で簡潔でリーダーシップに富む。若き巨匠の道をまっしぐらに進んでいる勢いを感じさせ、この人には何かあるという未知なる可能性も示唆した。
 終演後、三浦文彰に話を聞くと、マエストロとは最初にプラハで共演し、今回のツアーでは福岡公演に次いで今日が2度目とのこと。「すばらしい指揮者です」と目を輝かせていた。
 今日のコンサートは最初のメッセージや「新世界より」がプラスされたため3時間におよび、その間フルシャの集中力は一瞬たりとも途切れることがなかった。そして三浦文彰の演奏を讃え、包容している姿がとても温かい感じで、こちらの心もほんのりと温かくなった。
 ただし、演奏があまりにもすばらしかったため、ブログ用の写真を撮るのをすっかり忘れて楽屋を出てしまった。失敗失敗。できることだったら、三浦文彰とマエストロの並んだ姿を撮りたかったのに、ああ残念。私って、本当に器用じゃないよね。ひとつのことに集中すると、あとのことはどこかにいってしまうんだから(笑)。こういうことは、しょっちゅうある。ホント、器用じゃないワ。
| クラシックを愛す | 22:39 | - | -
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