Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ニコライ・ホジャイノフ
 今春、2010年のショパン国際ピアノ・コンクールの入賞者やファイナリストが次々に来日している。
 今日は、コンクールのファイナリストのひとり、1992年ロシア生まれのニコライ・ホジャイノフのリサイタルを聴きに、武蔵野市民文化会館にいった。
 彼は予選では若々しいエネルギーに満ちあふれたピアノを披露したが、本選のコンチェルトで経験不足が顔を出してしまい、残念ながら入賞を逃した。
 だが、クリアで迷いのない生き生きとした音色は特筆すべきで、ふわふわとした金髪の巻き毛に色白の肌が印象深く、会場では人気も高かった。
 今日は、前半がベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31番、ラフマニノフの練習曲集「音の絵」作品33より第6曲、プロコフィエフのピアノ・ソナタ第7番というハードなプログラム。後半はショパンの「ボレロ」ハ長調、バラード第2番に続いてシューベルトの「さすらい人幻想曲」と、重量級の作品が組まれた。
 ショパン・コンクールから1年半、先日のヴンダーでも感じたことだが、若きピアニストは一気に階段を駆け上がるように実力を伸ばしていく。
 ホジャイノフも、コンクール時には緊張感が痛いほど伝わってきたが、今回はゆとりすら感じさせ、いずれの作品も楽しそうに弾いているのが印象的だった。
 しかし、なんといっても手の内に入っているのはショパンの「ボレロ」。水を得た魚のように自由に、開放感をもって奏で、まるでひとつひとつのリズムが天空に飛翔していくようなかろやかさを発していた。
 アンコールもまたすさまじい。ほんのちょっと短い曲を弾くのは好みではないようで、まず、リストの「メフィスト・ワルツ」第1番を超絶技巧をものともしないテクニックで演奏。鳴りやまぬ拍手に応えて、次はドビュッシーの「前奏曲集」より「花火」を音の色彩感を重視して華やかに展開。さらにリスト作ブゾーニ編による「フィガロ・ファンタジー」をドラマティックにダイナミックに、疾走するようなスピードで弾き進め、やんやの喝采を受けた。
 ひとつ、今日は大きな発見があった。コンクールのときは会場が大きくステージまである一定の距離があるため、ペダルまでよく見えなかったが、武蔵野市民文化会館の小ホールはステージまで非常に近いため、ペダリングがよく観察できた。彼のペダリングはとても自然で理にかなっており、踏み込みも適切で、ペダルから足を放すときが絶妙。音は決して濁らず、豊かな音色の変化をもたらす。
 来週はホジャイノフのインタビューが決まっている。その前に、彼は日本でレコーディングを行う予定(ビクター)。インタビューでは、その録音が終わったばかりのホットな感想が聞けそうだ。
 今日の写真はリサイタルのプログラムの表紙。すました表情をしているけど、演奏が終わって拍手に応えるときは、はにかんだような笑顔を見せ、それがとても愛らしい。インタビュー後には、ぜひいい表情の写真を撮りたい。もちろん、インタビューの内容が重要だけどね(笑)。


 
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