Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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レイ・チェン
 以前インタビューしたときに、次はチャイコフスキーとメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲の録音をすると語っていたレイ・チェンが、そのCD(ソニー)がリリースされた直後に来日を果たした。
 前回のインタビューで、私がいわゆる「メン・チャイ」と呼ばれる超有名なコンチェルトを録音するのって怖くない?と聞いたところ、「ああ、どうしよう。そうだよねえ、あまりに有名でみんなが知っている曲だから、ものすごくいい演奏しなくちゃいけないし」と頭を抱えていたことを思い出した。
 まず、その質問から入ったら、「ねえ、ぼくの演奏どう思った?」と逆に質問されてしまった。
 実は、私はこの録音を興味津々で聴いたのだが、指揮者のダニエル・ハーディングとスウェーデン放送交響楽団とののびやかな音の対話に、「やっぱり、コンクールの本選で演奏して優勝しただけあり、自信に満ちているな」と感じたものだ。音楽が実に自然でリラックスしているからだ。
 率直な感想を述べると、レイ・チェンは「そう思ってもらえてうれしいよ。本当にダニエルとは息が合い、オーケストラもすごく自発的で、みんなが一丸となっていい演奏をしようという気持ちで一致したんだ」という答えが戻ってきた。
 レイ・チェンはコンクール後、人生が大きく変わり、人間的に成長したと感じているという。それが演奏にも全面的に反映していると自己分析する。
 この2大コンチェルトは、2008年のメニューイン・ヴァイオリン・コンクールで演奏したメンデルスゾーン、2009年のエリザベート王妃国際音楽コンクールで演奏したチャイコフスキー。いずれもすでに自身の大切なレパートリーとなっているが、コンクール後は各地でさまざまな共演者と演奏しているのだろう、さらに磨きがかかり、録音では堂々とした演奏を披露している。
 レイ・チェンは本来とてもシャイな性格。それがコンクール優勝後、多くの人たちと会わなくてはならなくなり、次第に変わってきたという。
 このインタビューは次号の「音楽の友」に掲載される予定。そのなかで、彼は「成熟」ということばを何度も使った。
 大きな国際コンクールの覇者は、優勝後の人生がガラリと変わる。レイ・チェンもしばらくその試練にさらされ、ようやくいまは世界中をまわって演奏活動に明け暮れる生活に慣れてきたそうだ。
 とても気さくで感じがよく、会うたびに本音を話してくれるようになってきた。これからもっと深層心理に迫ろうかな(笑)。
 今後のスケジュールを聞いたら、著名な指揮者とビッグなオーケストラとの共演、名だたる音楽祭への参加が目白押し。
 よく、「コンクールはスタート台。コンクール後が本当の勝負」といわれるが、レイ・チェンは着実な歩みを進めている。ずっと聴き続けていきたいアーティストである。
 今日の写真はインタビュー後のレイ・チェン。楽器は1721年製のストラディヴァリウス「マクミラン」。バックが赤くて、ちょっと撮影現場で撮ったみたいでしょう。本当はもっとリラックスした表情を撮りたかったんだけど、彼は写真を撮るときになると、シャイな性格が顔を出すみたい…。

| アーティスト・クローズアップ | 22:49 | - | -
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