Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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トーマス・ヘンゲルブロック
 今日はトーマス・ヘンゲルブロック・デーとなった。
 11時に彼の宿泊先のホテルでインタビューを行い、19時にサントリーホールでコンサートを聴いた。
 ヘンゲルブロックは1958年ドイツのヴィルヘルムスハーフェン生まれ。最初はヴァイオリニストとしてキャリアをスタートさせ、アーノンクール率いるウィーン・コンツェントゥス・ムジクスのメンバーとしても活躍。その後、自身の理想とする音楽の実現のためにバルタザール=ノイマン合唱団とアンサンブルを設立し、指揮者を務める。
 オペラ指揮者としても活動し、各地のオペラハウスに定期的に招かれている。
 そしてバロック・オーケストラの指揮者として確固たる地位を築いていたが、2011/12年シーズンからハンブルク北ドイツ放送交響楽団の新しい首席指揮者に就任。古楽器の専門家だと思われていたため、この人事はドイツ中を驚かせ、世界のオーケストラ・ファンの注目も集めた。
 そんなヘンゲルブロックのうわさはだいぶ前から聞いていたが、つい先ごろ同オーケストラとの新譜、メンデルスゾーンの交響曲第1番、同八重奏曲〜スケルツォ、シューマンの交響曲第4番がリリースされ、そのみずみずしい音楽性に触れ、ぜひインタビューをしたいと思った。
 ようやくその願いが実現し、今日はごく短時間だったが、ヘンゲルブロックに話を聞くことができた。
 190センチはあろうかという長身で、非常ににこやか。どんな質問にも一生懸命ことばを尽くして答えてくれ、ユーモアも交える。彼自身が「私は小細工をするタイプではなく、自然体でオープンで率直」といっている通り、話はとてもストレートでわかりやすく、気取りがない。
 このオーケストラとは出会ったときから相性がすこぶるよく、いわゆるいい化学反応が生まれると直感したそうだ。
 このインタビューは来週木曜日アップのヤマハWEB「音楽ジャーナリスト&ライターの眼」と、7月6日発売の「婦人公論」に書く予定である。
 今夜はまさにそのすばらしい化学反応が発揮され、久しぶりに心が高揚するコンサートとなった。まず、モーツァルトのオペラ「フィガロの結婚」序曲がみずみずしいテンポと浮き立つ音楽で奏でられ、次いでクリスティアン・テツラフのソロでメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲が演奏された。
 テツラフは昨年トッパンホールですばらしい無伴奏のリサイタルを聴かせてくれたが、今日も聴き慣れたコンチェルトに新たな光をあてるような新鮮な演奏を披露した。 
 後半はブラームスの交響曲第1番。一瞬たりとも耳と目が離せない緊迫感と集中力に富んだ演奏で、ヘンゲルブロックが語っていた「長い伝統を備えたオーケストラに新風を吹き込む」様子が明確に伝わってきた。
 彼は来週にはもう次なるレコーディングが待っていて、ドヴォルザークの作品を録音するといっていたが、今日のアンコールはドヴォルザークの「チェコ組曲」より「フィナーレ」だった。まるで踊るように指揮するヘンゲルブロックを見ていたら、次なる録音への期待が高まった。
 彼の趣味はヨットでセーリングすることだそうだが、「残念ながら、いまは時間がなくてね」と本当に残念そうな顔をしていた。
 演奏も性格も両方すばらしい。早速、アーティストレシピに加えちゃおうかな(笑)。
 今日の写真はインタビュー時のマエストロ。午前中の日差しがさんさんと降り注ぐ窓際で撮ったのに、またもや携帯のカメラがイマイチ。ボケボケで残念…。というわけで、ジャケット写真を入れてみた。とっても笑顔が魅力的なので、こちらでそれを味わってくださいな。



| 終わりよければ…取材奮闘記 | 23:47 | - | -
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