Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

ブログ

<< サッカー 欧州選手権 | main | スペインのガラス食器 >>
ダン・タイ・ソン
 今日は紀尾井ホールにダン・タイ・ソンのリサイタルを聴きに行った。
 プログラムは、「ドビュッシー生誕150年特別企画」と題されたオール・ドビュッシー・プロ。前半は「版画」からスタート。クリアで豊かな響きを持つ透徹した音色がホールいっぱいに広がっていく。
 ああ、なんと美しいドビュッシーだろう。
 次いで「2つのアラベスク」が奏され、軽快なリズムが心にストレートに飛びこんできた。
「映像 第1集」では、豊かな和声と絵画的な色彩感がピアノから生み出され、ダン・タイ・ソンの特徴である清涼な音質、深い打鍵、柔軟性を備えたタッチが存分に披露された。
 前半の最後は「喜びの島」。ダン・タイ・ソンは愛の女神ヴィーナスを華麗な音色で輝かしく表現、躍動感あふれる奏法で弾ききった。
 後半は「前奏曲集 第1巻」の12曲。ダン・タイ・ソンは各々の作品を個性的に、ときに詩を語るように、またあるときは絵を描くように、さらに彫刻のような立体感も生み出し、ドビュッシーのピアノ音楽の集大成ともいうべき作品の内奥へと迫っていった。
「すばらしいドビュッシーだったわ」
 終演後、楽屋を訪ねて素直な感想を述べると、ダン・タイ・ソンはうれしそうな表情で答えた。
「本当にドビュッシーはぼくにとって、心に近い存在なんですよ。大好きな作品ばかりで、弾いていると自由になれる感じがする。なんてすばらしい曲を書く人なんだろうね」
 ドビュッシー・イヤーに深々と心に響いてくる演奏を聴き、ドビュッシーの作品のよさを再認識した。
 いま、単行本でフランス音楽に関して書いているわけだが、大きな指針を与えられたリサイタルだった。ソンさん、ありがとう!
 今日の写真は終演後のほっとした表情のダン・タイ・ソン。
 11月7、8日にはすみだトリフォニーホールで「ロシア・ピアニズムの継承者たち」の第7回として「ベートーヴェン/ピアノ協奏曲全経演奏会」が予定されている。これは彼にとって初の試み。きっと心に響くコンサートになるに違いない。請うご期待。

| 親しき友との語らい | 23:48 | - | -
CALENDAR
S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< August 2017 >>
CATEGORIES
ARCHIVES
LINKS
PROFILE