Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ミロシュ
 今日は、王子ホールにミロシュのデビュー・リサイタルを聴きにいった。
 以前、演奏を聴いたのはCDのプロモーション来日のときだったため、本格的な演奏は初めて聴くことになる。
 前半はソルの「グランソロ」からスタート。静謐な響きから徐々に快活な歌へと変化していく曲想を、ミロシュはからだのどこにも余分な力を入れない自然な奏法で淡々と紡いでいく。 
 次いでJ.S.バッハの「リュート組曲(パルティータ)」ハ短調BWV997より「前奏曲とフーガ」。随所にリュートを思わせる響きを登場させ、バッハの厳格ながら流麗な作風をのびやかに奏でた。
 曲の合間にはわかりやすい英語で作品の紹介をし、前半の最後はヴィラ=ロボスの「プレリュード第1番」「エチュード第11番」「ワルツ=ショーロ」「エチュード第12番」で締めくくった。
 ミロシュは、こうした民族色豊かな特徴あるリズムに彩られた作品になると、にわかに音がクリアになり、躍動感が増す。
 そして後半はミロシュがクラシックギターに開眼し、自身の道を見出すきっかけとなったアルベニスの「スペイン組曲」より「アストゥリアス」を披露。まさに思いの丈を示すかのように、印象的な旋律が感情豊かに演奏された。この作品はすでに世界各地で演奏しているのだろう。完全に自分の歌となっていた。
 これに同組曲の「グラナダ」「セビーリャ」と続け、いまスペインの本を書いている私は、大いにインスパイアされた。
 最後はミロシュが大好きだというドメニコーニの「コユンババ」。輝かしい才能をいかんなく発揮し、大喝采を受けた。
 そして、ここからがミロシュの人柄のよさを表すひとこまとなった。彼は聴衆とのコミュニケーションを取りながら、アンコールにタレガの「アルハンブラの思い出」を弾いたのである。
 ああ、なんとタイムリーな選曲。私はいまこれに関した原稿を書いている最中だ。目を閉じて聴き入っていると、次第にエネルギーが湧いてきた。
 ミロシュ、ありがとう。原稿の方向性が見えてきた感じがします。
 今日の写真は終演後、楽屋で扇子をもらって喜んでいるミロシュ。彼はアンコールの最後に「禁じられた遊び」もプレゼント。鍛え抜かれたテクニックと表現力に支えられたこの曲は、聴き手の心にしっとりと浸透してきて、名曲なんだと改めて思わせてくれた。
 こういう曲はなかなかナマで聴く機会がない。あまりにも有名なため、ギタリストは弾きにくいのだろう。でも、じっくり聴くと、やはりいい曲だ。
 今日のリサイタルはテレビが入っていたのだが、終演後にNHKのディレクターに偶然会い、彼から放映の情報を聞いた。
 実は、このディレクターは昨年のNHK音楽祭のFM番組でお世話になった人である。放映は9月14日(金)、NHKのBSプレミアム「クラシック倶楽部」、午前6時だそうだ。朝早すぎて見られない人は、ぜひ録画してね。10月以降にはFM放送の「ベスト・オブ・クラシック」で全曲を放送する予定だという。
 心に響く演奏、お楽しみに!!



 
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