Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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モンマルトルのブドウ畑
 フランスのワインといえば、ボルドーやブルゴーニュが有名だが、モンマルトルの丘の上に小さなブドウ畑がある。ここはガメイ種とピノ・ノワール種が植えられていて、毎年10月には酒の神バッカスに捧げる収穫祭が行われている。
 夏に訪れたときはまだ青々とした葉が大きく茂り、ブドウの実はそんなに大きくは見えなかったが、このブドウ畑で採れるワインはほんの少しゆえ、「幻のワイン」と呼ばれている。
 場所は、有名なシャンソン酒場「ラパン・アジル」の真ん前。本当に小さな畑で、いったいどのくらいの収穫量があるのだろうかと思いをめぐらせてしまった。
 このあたりは、ユトリロ、サティ、ベルリオーズ、ピカソ、アポリネールらがたまり場としていたところ。その時代の面影がいまも色濃く残っている。
 実は、以前デンマークのバリトン歌手、ボー・スコウフスにインタビューしたとき、ワインの話題になり、彼がこんなことをいい出した。
「モンマルトルにブドウ畑があるの、知ってる? 僕の友人があそこのひと区画を所有していてね、毎年ワインができると1本だけ分けてくれるんだよ。本当に数えるほどしか生産できないから、この1本も貴重品。だから毎年すごく楽しみにしているんだよ」
 そのときにスコウフスは自分もそのひと区画を買いたいと申し出たそうだが、まったく空きはなく、あったとしても審査がきびしく、新たに入ることはできないのだそうだ。
「だからこそ、貴重なワインなんだよね。飲むときは、ほんの少しずつチビチビと味わいながら飲むんだよ」
 スコウフスは「ドン・ジョヴァンニ」のタイトルロールを当たり役としている大柄な人。その彼が「チビチビ飲む」と物まねをしながら話すから、つい大笑いしてしまった。
 なんでも、ここのワインは18区の区役所の酒倉で仕込まれるのだそうだ。そして翌年の春に競売にかけられるという。
 ワイン好きのフランス人は、いったいどのくらいの値段をつけるのだろうか。
 今日の写真はそのブドウ畑。ねっ、本当に小さいでしょう。
 でも、「幻のワイン」、ひとなめでいいから味わってみたいものだワ(笑)。


| 麗しき旅の記憶 | 21:58 | - | -
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