Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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マウリツィオ・ポリーニ
 昨夜は、サントリーホールで行われている「マウリツィオ・ポリーニ ポリーニ・パースホペクティヴ2012」のリサイタルを聴きに行った。
 今回のプロジェクトは、10月23日から11月14日まで全6公演が組まれ、ベートーヴェンと現代の作品を組み合わせて演奏するもの。作曲家たちに新作を委嘱し、ベートーヴェンのピアノ・ソナタと一緒にプログラムに組むというコンセプトに基づいている。
 ベートーヴェンのピアノ・ソナタは第21番から第32番までが選ばれ、各日に何曲か順番に沿って演奏される。
 作曲家は、イタリアのジャコモ・マンゾーニ(1932〜)、ドイツのカールハインツ・シュトックハウゼン(1928〜2007)、ドイツのヘルムート・ラッヘルマン(1935〜)、イタリアのサルヴァトーレ・シャリーノ(1947〜)の作品が組まれている。
 昨夜は、前半がシュトックハウゼンの「ピアノ曲察(1954)と「ピアノ曲宗(1954/61)。ポリーニは音色をこまやかに変化させながら、ペダル用法も微妙に変容させ、すべての音に色彩感を持たせ、点描画のような音の世界を描き出していった。
 次いでベートーヴェンの第24番「テレーゼ」、第25番が情感豊かに明快なタッチで演奏され、後半への期待へとつなげた。
 後半はベートーヴェンのピアノ・ソナタ第26番「告別」から開始。ルドルフ大公との別離が作品の背景にあるとされるこの作品を、ポリーニは力強い主題の提示、おだやかな表情、かろやかで生き生きとしたテンポと楽章によって明確な表現変化を示し、一気に弾ききった。
 最後のピアノ・ソナタ第27番は、ポリーニならではのロマン主義的様式の探求が隅々まで感じられ、濃厚な色彩を紡ぎ出す演奏となった。
 鳴りやまぬ拍手に応え、アンコールは「6つのバガテル」から2曲。
 帰路に着く途中、私はポリーニの初来日公演(1974年)を聴いたときの、胸の高まりが止まらなかったことを思い出していた。
 あれから長年ポリーニを聴き続けているが、彼の演奏の基本姿勢はまったく変わらない。ただし、「コンピューターのように精確」といわれた演奏は徐々に人間味豊かなピアニズムへと変貌し、今回はよりヒューマンな演奏に感じられた。
 この公演評は次号の「モーストリー・クラシック」に書く予定になっている。
 ずっと家にこもって書く作業に追われていたため、昨夜は本当に久しぶりのコンサートだった。それがポリーニで、しかも彼の得意とするベートーヴェン。やはりナマの音楽に勝るものはない、と実感。その感動はいまなお続いている。
 
| クラシックを愛す | 22:44 | - | -
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