Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ピエール=ロラン・エマール
 今日は、トッパンホールにピエール=ロラン・エマールの《ル・プロジェ エマール》のプログラム兇鯆阿に行った。
 昨年11月に開催されたプロジェクトに続く第2弾で、今年はドビュッシーの前奏曲集が2日に分けて演奏され、21日はドビュッシーの前奏曲集第1巻にクルターク、シューマンが加わり、今日は同第2巻とアイヴスの「ピアノ・ソナタ第2番《マサチューセッツ州コンコード1840―60年》が演奏された。
 エマールのドビュッシーは、輪郭の非常に明確な奏法で、響きが幾重にも変容していく美しさが特徴。今日はペダルを踏む足がよく見えたため、絶妙のペダリングに目が奪われた。
 エマールはこの前奏曲集を得意としている。各々の曲が命を与えられたように生き生きと語り、歌い、情感豊かな響きを紡いでいく。全編に創意と知性が息づいているが、けっして作曲者の意図からは離れず、楽譜に忠実に内奥に迫る姿勢を崩さない。
 それは後半のアイヴスでも同様の解釈を見せ、4つの作品からなる連作をそれぞれの個性を重んじ、リズム表現に工夫を凝らし、楽器を豊かに鳴らして大きなコラージュのような味わいに仕上げた。
 この公演評は、次号の「モーストリー・クラシック」に書く予定である。
 実は、今夜は珍しい出会いがあった。20年以上前にヨーロッパの旅でご一緒した人に会場で会ったからだ。彼女は「伊熊さん、私を覚えていらっしゃるでしょうか」と話しかけてくれた。
 ずいぶん前のことなのに、自分でも驚いたが、私は彼女の顔を覚えていた。人間の記憶とは不思議なものだ。Oさんは、「ブログを読んでいます」といってくれた。
 こういう出会いは、本当に貴重だ。一気に何年間の空白が埋まる感じがする。
 エマールが引き合わせてくれたこの久々の出会い、名刺交換をして別れた。彼女は私がマツーエフのことをブログに書いたのをきっかけに、先日の彼のコンサートを聴きにいったとか。
 まさにこれこそが私の願いだ。ひとりでも多くの人に音楽を聴いてほしいと思っていろんな記事を書いているから。
 今夜は、コンサートの帰り道、ほんわか心が温かくなった気がした。
 
 
| クラシックを愛す | 22:49 | - | -
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