Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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インゴルフ・ヴンダー
 今日は、来年2月に来日するラファウ・ブレハッチの来日記念盤(ビクター)として、ショパン・コンクール優勝時のライヴを再発売(既存の2枚をまとめてひとつのボックスにする)のライナーノーツの原稿を仕上げ、午後はインゴルフ・ヴンダーのインタビューでユニバーサルに出かけた。
 ヴンダーは、「300」と題した新譜をリリースしたばかり。これはピアノ音楽の300年を俯瞰し、彼がこれまで愛奏してきた作品を17曲収録したもの。加えて、この300という数字は、彼が今年ピアニストとして300回目の演奏会を開くことになっているため、この数字をつけたそうだ。
 だが、実際に会って「300回目のコンサートはどの土地で行われるものなの?」と聞いたところ、「実は、子ども時代のコンサートの数が正確に把握できていなくて、大体のところ今年のどこかのコンサートが300回目にあたるという感じなんだ」と苦笑い。
 ヴンダーはこのCDのなかでポーランドのピアニストで作曲家でもあるラウル・コチャルスキ(1884〜1948)の「幻想的ワルツ」という美しい曲を取り上げているが、これはとても珍しい曲で、これまで耳にしたことがなかった。
「そうでしょう。ぼくもたまたま耳にして魅了され、すぐに楽譜を探したんだ。これまで知らなかった作品だけど、とても心に残る美しさをもっているよね」
 ヴンダーは、この録音のなかでスカルラッティやモーツァルトからジョン・ウィリアムズまで披露している。
 今後はベートーヴェンに目を向けているそうで、集中してピアノ・ソナタと協奏曲に取り組んでいきたいと語る。
 ここでひとつ最新のニュース。2013年5月に大野和士指揮ウィーン交響楽団が来日ツアーを行うが、そのソリストのひとりにヴンダーが選ばれた。
 5月15日にはサントリーホールでベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番を演奏する予定になっている。
「来日公演の前、3月にウィーンでマエストロ大野とウィーン交響楽団と一度共演してから日本にくることになっているんです。すばらしい指揮者と、ウィーンを代表するオーケストラとの共演でベートーヴェンを演奏できるなんて、ことばにできないくらい幸せ。しかも、ぼくもウィーン人だからね(笑)」
 彼はベートーヴェンの第4番のコンチェルトは出だしがとても難しいが、自分のソロで始まることにより、最後までテンポ、主題の歌わせかたなど、あらゆる面でリードしていくことができるため、とても充実感がもてる作品だという。
 この作品に関して、彼は楽章ごとにどう弾きたいかということをこまかく解説してくれた。 
 今日感じたことだが、ヴンダーはショパン・コンクール入賞後よりも非常に落ち着き、自分の道をしっかり歩んでいる感じを受けた。当初は自分の置かれている位置を理解するのにとまどっていた様子だったが、いまではすっかりツアーにも慣れ、時間の配分にもかなり余裕を持ち、自分らしさを取り戻した感じ。おだやかな笑顔がそれを示していた。
 今日の写真はインタビュー後のワンショット。それにしても、あいかわらず「目がナイーブ」だなあ(笑)。
 今日のインタビューは12月下旬の「日経新聞」に書くことにしている。


 
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