Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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マリア・ジョアン・ピリスのシューベルト
 2月27日にユニバーサル(グラモフォン)からリリースされる、マリア・ジョアン・ピリスの「シューベルト:ピアノ・ソナタ第16番&第21番」の見本盤が届いた。
 これはライナーノーツを書いたために早く送られてきたもので、早速聴いてみる。
 ピリスのシューベルトは、1996年と97年に録音された「即興曲集」が大ベストセラーを記録しているが、あれから15年を経て待望のピアノ・ソナタがレコーディングされたことになる。
 ライナーもこの「即興曲集」のことから書き始めた。なぜなら、これは私の愛聴盤のひとつだからである。今回は6000字ほどの分量があったため、ピリスのことをさまざまな面から書くことができた。
 ピリスの音楽は常に凛として潔く、情感豊か。聴き込むほどに深く魅せられ、作品の内奥に導かれる。そして涙がこぼれそうになるほど、その演奏は真摯でピュアで奥深い。
 今回のピアノ・ソナタも、原稿執筆のための試聴盤が送られてきてから何度聴いたことだろう。だが、いくら聴いてもけっして飽きることはなく、終わるとまた最初から聴きたくなる不思議な魔力を備えている。
 ピリスには、長年インタビューや取材を続けている。彼女はいつも本音で話してくれ、その人間性にも強く魅せられている。
 3月にはベルナルト・ハイティンク指揮ロンドン交響楽団とともに来日して日本ツアーを行い、モーツァルトのピアノ協奏曲第17番K.453とベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番を演奏することになっている。こちらも非常に楽しみだ。
 ピリスは小柄なため、日本にくるといつも洋服をいくつかまとめて買っていく。特に好きなのはシンプルな木綿のブラウス、牧歌的なロングスカート、重ね着ができる薄手のカーディガンなど。
 私もそうした種類の洋服が好きなので、いつもふたりで洋服を褒め合うことになる。
「ねえ、それどこで買ったの? 私にわかる場所だったら教えて」
「そのピアス、自然な感じでステキ」
「そのブラウス、飽きたらちょうだい」
 こんなことをいうピリスは、なんだかアーティストというよりは、長年の友人のよう。でも、彼女は偉大なピアニストである。
 もうひとつお互いに好きなのが、カゴバッグ。夏に会うと、私がカゴをもっているので、ピリスはいち早くそれに注目。一度はとられそうになった(笑)。
 なんでも、彼女の自宅兼練習スタジオ兼仕事部屋では、「ジョアンのカゴ」と命名されたカゴバッグがあり、いつもピリスがそれを抱えているため、みんなが大切な用件や伝言があるとそのカゴに入れていくのだとか。
 今度、ピリスに会うときは、どんな格好をしていこうかな。
 今日の写真は新譜のジャケットのピリス。飾らず気負わずひたむきに生きているピリスの表情を見ているだけで、胸の奥が温かくなる。
 さて、また最初からCDを聴こうっと。


 

 
| アーティスト・クローズアップ | 22:33 | - | -
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