Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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モディリアーニ弦楽四重奏団
 先日、ナントの「ラ・フォル・ジュルネ」で、久しぶりにモディリアーニ弦楽四重奏団の演奏を聴いた。彼らの演奏はいつ聴いても音色がみずみずしく、作品がいま生まれたような新鮮さに彩られている。
 今回の「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」にも彼らは参加、フランス作品をたっぷり披露する予定だ。
 そこで「インタビュー・アーカイヴ」第47回はモディリアーニ弦楽四重奏団の登場。彼らの魅了の一端を垣間見てほしい。

[intoxicate 2010年9月号]

4人ではなくひとりで奏でているように…

 学生時代の友人4人が集まって結成したモディリアーニ弦楽四重奏団は、国際コンクールを次々に制覇。世界各地からオファーがひっきりなしに入る人気の高いカルテットに成長。結成6年を迎え、新録の「メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲選集」は欧米で話題沸騰中だ。
「作品13はメンデルスゾーンが18歳で書き、ベートーヴェンへのオマージュの意味が含まれている。いまのぼくたちが自然に入っていける若さあふれる作品。一方、作品80は姉のファニーの死を悼んで書かれた悲劇性が込められ、メンデルスゾーンの個性と人格が込められている。これに僕たちはありったけの表現と技巧と音楽性を込めて録音した。メンデルスゾーンは作品の真の意味や偉大さがなかなか評価されにくいけどこの録音からそれを受け取ってほしい。新しい発見があると思うから」
 4人が互いを評すると、第1ヴァイオリンのフィリップ・ベルナールは信頼でき、話のおもしろい人。第2ヴァイオリンのロイック・リオは予想できないことを行うサプライズ人間。ヴィオラのローラン・マルフェングは自他ともに認めるいいヤツ。チェロのフランソワ・キエフェルは知性派で、エレガンスの持ち主だそうだ。
「カルテットの演奏は家を建てるようなもの。チェロが土台となり、ヴィオラと第2ヴァイオリンが壁を作り、第1ヴァイオリンが屋根の役目。でも4人ではなく、ひとりで音楽を奏でているような密度の濃さと一体感が必要。僕たちは昔のカルテットのように、第1ヴァイオリンが中心となってあとの3人が伴奏的な役割を果たすのではなく、あくまでも民主的。喧嘩してもすぐ仲直り」
 その一体感が功を奏し、フランスのラジオ番組「音盤批評トリビューン」の名前を隠して録音を聴きくらべる放送で、最終的にアルバン・ベルク四重奏団とハイドンの弦楽四重奏曲「日の出」で絶対盤として引き分けた。
「これはワインの利き酒のように演奏者の名前を隠して出演者たちが聴きくらべる番組。すごく名誉に感じたよ。最終的に残った相手が偉大なアルバン・ベルクなんだもの。4人ともびっくり。自分たちがやってきたことがまちがっていなかったと確信できた瞬間だった。これまで多くの偉大なカルテットから影響を受けてきたけどもっとも尊敬しているのはアマデウス四重奏団。彼らはずっとメンバーチェンジなし。すぐにアマデウスとわかる響きを保持していた。僕らもそれを目指している」
 グループ名のモディリアーニは偉大な画家から命名したものだが、モディリアーニの絵はすぐに画家の名がわかる個性に彩られている。それに触発された。
「弦楽四重奏曲は作曲家が魂を込めて書いた作品ばかり。それを自分の100パーセントを注いで演奏するわけだけど、いつも作品のすばらしさに没入して心が震えるほど。その感動を聴衆と分かち合いたい。来春のラ・フォル・ジュルネでまた来日するからぜひ聴きに来て!」

 今日の写真は一番上が、このインタビュー時の写真。真ん中は、ナントで撮った写真。でも、左端にいるのはだれ?
 そう、これはラムルー管弦楽団の音楽監督のフェイサル・カルイ。
「ぼくたち、モディリアーニだよー」とふざけてポーズ。でも、第1ヴァイオリンのフィリップが戻ってきたら、「ほらほら、本物のカルテットの写真撮らなくちゃ」と、私はカルイに促された。それが一番下の写真。
 マエストロ・カルイは、ふだんはちょっとカッコつけて渋い感じなのに、実はユーモアたっぷりな人だったんですね(笑)。
 というわけで、そろいました。左から第2ヴァイオリンのロイック・リオ、ヴィオラのローラン・マルフェング、チェロのフランソワ・キエフェル、第1ヴァイオリンのフィリップ・ベルナールです。名前、覚えてね。





| インタビュー・アーカイヴ | 22:33 | - | -
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