Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ウィーン交響楽団
 今日は、サントリーホールに大野和士指揮ウィーン交響楽団のコンサートを聴きにいった。
 前半のプログラムは、インゴルフ・ヴンダーをソリストに迎えたベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番。
 ヴンダーのピアノはずっと聴き続けているが、今回は改めてこの第4番のコンチェルトの難しさを知った思いがする。
 ピアニストの多くが、ベートーヴェンのピアノ協奏曲のなかで、もっとも難しいのがこの第4番だと語る。技術的な難度の高さではなく、表現力の問題である。
 国際コンクールでもよくこの作品は取り上げられるが、なかなか高得点をとるのは難しい。
 ヴンダーは以前のインタビューで、「ベートーヴェンのピアノ協奏曲はずっと弾き続けていますが、本当に自分のものにするのには長い年月がかかると思います。人生経験を積まないと、表現の深さは出ませんし、人の心に感動を呼び起こす演奏をするにはとてつもない時間と努力と研鑽が必要になります」といっていた。
 確かに、いつも聴いているショパンのコンチェルトのときとは異なった演奏で、表現力に苦労している様子が見てとれた。
 やはり第4番のコンチェルトは、若いピアニストにとって、高い頂を意味するのだろう。だが、ヴンダーは底力のある人である。きっと次回このコンチェルトを演奏するときは、より磨き抜かれたベートーヴェンを聴かせてくれるに違いない。
 こうして何度も同じピアニストで同じ作品を聴き続けること、これも大きな喜びであるから。
 一方、大野和士は音楽が実にのびやかで情感豊かで、自由闊達な響きをオーケストラから引き出していた。
 彼の評価は年々うなぎのぼりだが、少し前とは表現が変化し、より柔軟性を帯びたような気がする。
 今日の演目はベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」。この作品はさまざまな指揮者とオーケストラで聴いているが、今日のコンビは古典的な解釈に斬新性をプラスした演奏を遺憾なく発揮し、聴き慣れた作品に新たな光をあてていた。
 そして、アンコールにはシュトラウスのワルツをたっぷり聴かせ、ホールをウィーンの空気で満たしてくれた。
 ヴンダーもウィーン出身。まさにウィーンの香りただよう一夜を堪能した。 
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