Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

ブログ

<< ヴェローナから戻りました | main | 佐藤卓史 >>
アイーダ・トランペット
 今回のアレーナ・ディ・ヴェローナにおけるヴェルディの「アイーダ」で、もっとも印象に残ったのは歌手たちのすばらしき歌声以外では、第2幕に登場するアイーダ・トランペットの響きだった。
 これは凱旋行進の場で奏される輝かしい調べで、日本ではサッカーの応援歌として非常に有名な曲。スタジアムでいつもサポーターがうたっているあの有名な調べである。
 このトランペットのテーマが夕暮れの空に向かって高らかに響き渡り、将軍ラダメスが闘いに勝って凱旋行進を繰り広げる。
 通常はホールやオペラハウスでの演奏ゆえ、多分にこのテーマが響きすぎることがあり、ここだけ少し音響的に異なった感じを受けるのだが、やはり野外オペラで聴くと、ヴェルディの印象的な旋律が天空に向かって飛翔していくようで、まさに祝祭的で晴れ晴れしい音楽に聴こえた。
 今回の演出では、広い舞台の左右上方に各6本ずつアイーダ・トランペットが配置され、交互に主題をうたい上げる。最後には12本がともに行進曲を響かせ、アレーナを埋め尽くした2万2000人以上の聴衆のひとりひとりの心に深く浸透するすばらしく感動的な音楽を奏でた。
 アイーダ・トランペットとは、1〜3個のヴァルヴを有する細長いトランペットで、変ロ調または変イ調のものがある。「アイーダ」で用いられてから、この名で呼ばれるようになった。
 今日の写真は、取材で楽屋や舞台裏を担当者に案内してもらったときに写したもの。大道具が並べられ、さまざまな舞台装置が出番を待っていた。そして、まだ観客の入らないアレーナは、夏の光を浴びて静かにたたずんでいたが、パンと手をたたくと、その音は石段の最後部まで響き渡っていった。
 実は、今回24年ぶりにアレーナを訪れたわけだが、初めてここに足を踏み入れたときとはずいぶん異なる印象を受けた。初めて訪れたときは、異次元ののような世界に大きな衝撃を受け、その広大さと保存のよさと音響のすばらしさに唖然としたが、今回はそのときよりも少し小さく思えたのである。
 よく、同じ場所を再度訪れると印象が違うことがあるが、まさに私のアレーナ体験もそれと同様、ただ驚くというよりも、もっと冷静にこまかいところまでじっくりと見ることができた。
 そして「アイーダ」も集中して鑑賞することができた。以前もキャストへのインタビューを行ったが、今回も5人にインタビューをすることができた。
 次回はそれを紹介します。お楽しみに。





| 麗しき旅の記憶 | 22:18 | - | -
CALENDAR
S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< April 2017 >>
CATEGORIES
ARCHIVES
LINKS
PROFILE