Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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内田光子のリサイタル
 今日は、久しぶりにコンサートに出かけた。サントリーホールで行われた内田光子のリサイタルである。
 J.S.バッハの「平均律クラヴィーア曲集第2巻」より第1番と第14番で幕開け。クリアで明確な意志をもったバッハが紡ぎ出され、3声のフーガが織りなす複雑な響きがホール全体にゆきわたっていく。
 今回のプログラムはバッハ、シューマン、そしてシェーンベルクということで、バッハのあとにはシェーンベルクの「6つの小さなピアノ曲」が奏され、マーラーへの弔辞の意味合いが含まれる作品が“響きの美学“とでもいうような音の粒で綴られた。
 次いでシューマンの「森の情景」が登場。ここから後半はすべてシューマン。ピアノ・ソナタ第2番、「暁の歌」というプログラムで、今年5月から6月にかけて録音された曲目である。
 内田光子は近年シューマンの探求に時間を費やしていて、今日のプログラムはその真意を表現する形となった。
 とりわけ最後に演奏された「暁の歌」が印象深かった。シューマンの晩年の作品特有の暗闇のなかに光を見出そうとする孤独感と、憧憬と、狂気と、平穏さなどが混然一体となった曲想が、静けさのなかで淡々と奏でられていくさまは、まさにプログラムの最後をしめくくるにふさわしいものだった。
 内田光子は数年後からベートーヴェン・チクルスを予定しているそうで、今日はアンコールにベートーヴェンの「月光」の第1楽章が演奏された。予告の意味合いがあるのだろうか。
 静謐でおだやかで美しい響きが最後を飾り、本当に久しぶりにコンサートを聴いて心身が癒され、満ち足りた気分を味わった。
 さて、明日は女性誌の特集ページの校正をすべて送らなければならない。朝からまた気合いを入れなくっちゃ(笑)。
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