Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ダニエル・バレンボイム
 10月初旬、「家庭画報」の新年号でダニエル・バレンボイムにインタビューするため、ウィーンからベルリンに移動した。
 マエストロはベルリン国立歌劇場のベルクの歌劇「ヴォツェック」の本番の日で、その前の時間にインタビューに応じてくれた。
 これはウィーン・フィルの特集号のため、2014年1月1日のニューイヤー・コンサートの指揮を担当することについて話を聞いたのだが、短時間で効率よく話を進めてくれた。
 バレンボイムは2009年に初めてウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートの指揮台に立っている。このときは「平和」をテーマに掲げ、選曲もそれに即したもので、アンコールの前には結構長いメッセージを伝えたが、今回も「世界の平和」をテーマにしたいと語った。
 とりわけ、第一次世界大戦に対して熱く話してくれた。2014年は開戦100年にあたることから、これを記念して平和にまつわる曲を入れたいと考えているという。プログラムに関しては、この時点ではまだすべて決まっているわけではなく、これからウィーン・フィルとの話し合いで詳細を詰めるといい、平和に関するもので組み立てるといっていた。
 バレンボイムは忌憚のない意見をオーケストラにぶつけることで知られ、常に率直な語りで知られる。
 それゆえ、オペラの本番前のあわただしい時間のインタビューでは、はたしてうまくいくのだろうかと心配したが、最初からインタビューはスムーズに進み、最後はジョークまで飛び出し、非常に有意義な時間を過ごすことができた。
 彼はいわゆるコワモテで、近寄りがたい雰囲気をもっている。インタビューの前にほんの短い時間を写真撮影にあてたのだが、ここでもニコリともしない。
「う〜ん、これは手ごわいなあ」
 しかし、そう感じたのも一瞬だけ。インタビューが始まるとガンガン早口で話し出した。
 実は、かなり前のことになるが、私はバレンボイムの父親に教育に関してインタビューをしたことがある。その話をすると、急にマエストロの表情がなごんだ。
「もう父が亡くなってからかなり年月が経ちますが、いまはいい思い出だけが残っています」
 こういって、一瞬遠くを見るような目をした。
 父親は、いつもバレンボイムに「音楽をよく考えなさい」といっていたという。そのことばをいまでも大切にしているそうだ。
 ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートに関する話は、「家庭画報」の記事に詳細を書いたが、その後このライヴCD(ソニー)のライナーノーツにも原稿を寄せた。
 2014年1月22日に、このCDはリリースされる予定である。
 今日の写真はインタビュー終了後のマエストロの表情。やっぱりちょっと怖い(?)。
 もっとも驚いたのは、このインタビュー後、指揮者室から出て階段を下りていったら、指揮者のマリス・ヤンソンスがバレンボイムに会うために階段を上ってきたことだ。本番前にいろんなことをこなすなんて、本当にバレンボイムはすごい。どうやってオペラの指揮に集中するのだろう。 
 1月1日のウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートのライヴはテレビ中継される。どんな内容のメッセージが音楽に託されるか、楽しみだ。

| 終わりよければ…取材奮闘記 | 21:57 | - | -
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