Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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ドミニク・マイヤー
 インタビューで出会う人のなかに、「この人が上司だったらいいのになあ」と思う人が稀にいる。
 先日のウィーン・フィルの取材で会った、ウィーン国立歌劇場の総裁、ドミニク・マイヤーがその人だった。
 彼はフランス人だが、ドイツ語を学び、語学に堪能。パリ・オペラ座、ローザンヌ歌劇場、シャンゼリゼ劇場の総監督を歴任した後、2010年にウィーン国立歌劇場の総裁に就任した。
 その総裁の打診があったのは、演奏旅行でパリを訪れていたウィーン・フィルからだそうで、ちょうどそのころに人生の転機になるようなことをしたいと考えている最中だったとか。
「自分が何か新しいことをしたいと考えていたちょうどそのとき、ウィーン・フィル側からこのポストのお話をいただき、最初はあまりにもタイミングが合うことに驚きを隠せませんでした。でも、きっと神がそう仕向けてくれたのだと思い、熟慮した結果、お引き受けすることにしたのです」
 マイヤーさんは、とてもおだやかな語り口の人だが、その仕事の手腕はすばらしく、いわゆる凄腕。総裁に就任するやいなや、ウィーン・フィルをはじめ、ウィーン国立歌劇場のさまざまな分野で働く人々の給与と待遇を徹底的に洗い直し、条件を向上することに務めたという。
 いまでは、ここで仕事をする人たちの待遇は格段によくなり、みんながより熱心に仕事に取り組む姿勢を見せているという。
 加えて、定期会員の数も増やし、チケットはほぼ完売。
「それもこれも、ウィーン・フィルのおかげですよ。彼らの演奏なくしては、ウィーン国立歌劇場はありえません。どんな作品にもすばやく対応し、全員が喜びをもって演奏する。こんなすばらしいオーケストラと仕事ができ、私も日々喜びを味わっています。あのときに決断してよかったとつくづく思います。まだまだこれから改善すべきことはたくさんあります。ウィーンを訪れる世界中の人たちに、ぜひウィーン国立歌劇場に足を運んでもらいたい。そのために、委嘱作品も考え、新たな試みも考慮しています」
 柔和な表情で話すマイヤーさんだが、仕事熱心で完璧主義で、しかも理想主義者のように見えた。ああ、こんな人が私の若いころにいてくれたら、ぜひ上司になってほしかったなあと、現実離れした考えをもってしまった。フランス人特有のウイットとユーモアとエスプリも持ち合わせているし。う〜ん、理想の上司だワー。
 今日の写真は、インタビュー後のドミニク・マイヤー。相手の目をきちんと見ながら話すその姿勢も好感がもてた。うん、理想的だ(笑)。


 
| 麗しき旅の記憶 | 22:14 | - | -
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