Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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クラウディオ・アバド
 今日は、サントリーホールにクリスチャン・ツィメルマンのリサイタルを聴きにいった。
 この会場で、悲しいニュースを耳にした。私の大好きな指揮者、クラウディオ・アバドがボローニャの自宅で亡くなったのである。享年80。
 昨年10月、7年ぶりに来日することになっていたが、体調がよくないとの理由で中止となった。このときは、しっかり静養してまた元気な姿を見せてくれるのではないかと期待していたが、それもかなわぬこととなってしまった。
 思えば、1973年のウィーン・フィルとの初来日以来、アバドの演奏は数多く聴いてきた。日本公演のみならず、海外でも演奏を聴き、インタビューはできなかったが、ルツェルンでは楽屋で少しだけ話をさせてもらったこともある。
 いつもとても魅力的で、胸がドキドキするような、素敵な人だった。
 アバドは、ロッシーニの「ランスへの旅」の20世紀蘇演を1984年のロッシーニ音楽祭で行い、1989年には日本でも演奏を披露した。そのときの明快で闊達な指揮は、いまでも脳裏に深く刻み込まれている。
 今日は、開演前にツィメルマンによるアバドへの弔辞が会場に流され、それから演奏が始まった。
 プログラムはベートーヴェンの後期3大ピアノ・ソナタ、第30番、第31番、第32番。いまツィメルマンがもっとも弾きたいと願っている作品で、繊細かつ精密、内省的で、深い思考に根ざしたベートーヴェンだった。
 これまで多くのピアニストによるベートーヴェンの後期3大ピアノ・ソナタを聴いてきたが、アバドの訃報に触れたからか、心のなかにぽっかりと空いた穴にベートーヴェンの音楽が沁み込み、魂が揺さぶられるような思いを抱いた。
 これまでインタビューを願ったが、それがかなわずに亡くなってしまった指揮者が何人かいる。テンシュテット、ジュリーニ、そしてアバド。
 コンサートの合間に、「産経新聞」のEさんにアバドに対するコメントを求められた。明日の朝刊に掲載されるのだろうか。
 今夜はひとり、アバドを偲びたいと思う。
| アーティスト・クローズアップ | 22:33 | - | -
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