Yoshiko Ikuma - クラシックはおいしい -Blog

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アリサ・ワイラースタイン
 アメリカのチェリスト、アリサ・ワイラースタインの演奏は、エネルギッシュで情熱的。非常に説得力のある演奏で聴き手の心をつかむ。
 彼女は、昨年エルガーのチェロ協奏曲のCDでデッカからデビューを果たした。これはジャクリーン・デュプレの歴史的名演で有名なコンチェルト。これをデュプレの夫であったダニエル・バレンボイム指揮によるシュターツカペレ・ベルリンと録音(ユニバーサル)し、大きな話題となった。
 第2弾はドヴォルザークのチェロ協奏曲をメインに据えさらに「私にかまわないで」「森の静けさ」など、ドヴォルザークのさまざまな作品をピアノとともに演奏したもの。この新譜も、アリサの底力を示している。
 今日は、そのアリサ・ワイラースタインのインタビューのためにレコード会社に出向いた。このインタビューは「CDジャーナル」に掲載される予定だ。
 ジャケット写真などで見る彼女は、情熱的な眼差しを見る人にまっすぐに向けた、はげしさを内に秘めた表情をしているが、実際に会ってみるとものすごく陽気で気さく。どんな質問にも一生懸命ことばを尽くして答え、自身の感情を明確に示す。
 バレンボイムに認められて演奏を聴いてもらったときは、頭がボーッとして、気がついたらニューヨークのセントラルパークをゾンビのように歩いていたとか。
「私は、子どものころからデュプレが大好きだったの。彼女のエルガーのコンチェルトは何度聴いたかわからない。デュプレの壮絶な人生にも心をひどく痛めていたの。だからこそ、この曲は触れてはいけない感じがした。それをバレンボイムと演奏するなんて、考えられないことだったし、デビュー録音にこの曲をもってくること自体、震えがくるほどだった。でも、バレンボイムは私にチャンスを与えてくれ、さまざまなアドヴァイスをしてくれた。彼はこの曲を知り尽くしているから」
 こうしてアリサはCDデビューを果たし、次いでイルジー・ビエロフラーヴェク指揮チェコ・フィルとプラハのドヴォルザーク・ホールでドヴォルザークを録音した。
「本当に恵まれていると思います。チェコの指揮者、オーケストラとプラハでこのコンチェルトを録音できるなんて、すばらしい経験です。ジャケット写真はドヴォルザークの生家の近くのボヘミアの森で撮影したんだけど、その空気のなかでドヴォルザークをより間近に感じることができたわ」
 アリサは2008年11月、国際若年性糖尿病研究財団のセレブリティ・アドヴォケイトになったが、実は彼女自身がこの病気を抱えているのだという。
 病気にめげず、明るくひたむきに音楽家の人生を走り続け、前向きな姿勢を崩さないアリサ・ワイラースタイン。
 今回はリサイタルが中止となり、東京では演奏を聴くことができなかったが、来年2月にはNHK交響楽団のソリストとして来日することが決まっている。ぜひ、ナマ演奏を聴き、その真価に触れたい。
 今日の写真はインタビュー後のワンショット。「また、すぐに会いましょうね」と明るい声で再会を約束してくれた。新時代の期待すべきチェリストの誕生である。


 
| アーティスト・クローズアップ | 21:39 | - | -
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